院長ブログ
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ちょっとGPT
2025年5月7日|院長ブログ
相談ごとがあれば、なんでもAIに聞ける、みたいな感じのご時世になりましたね。
私のクリニックでも、患者の相談に回答するのに、グーグル検索を使うのが役立っています。
3年くらい前から広がってきたChatGPT(AIの回答)は、検索するだけでなく、わかりやすい回答にまとめてくれる点が優秀です。
利用者にとって、何よりありがたいのは
「どんなにくだらない質問をしても怒らない」
ことだと思います。
婦人科の相談事例として、
「夫に内緒で、不倫で交際してた相手に性病のクラミジアをうつされてしまった。私から夫にうつしたかもしれないが、バレないように、なんとかしてほしい」
などという相談内容も、AIなら淡々と回答してくれるに違いありません。
人間の私も、相談者の意図を組んで、できるだけ真摯にお話をうかがいますが、いかんせん、ヒトなので、感情が入ってしまったり、こちらの体調が悪い時など回答に影響がでることがあります。
Chat(チャット)という英語の単語はもともとは「おしゃべりする」という動詞から来ているのですが、たまたま、静岡の遠州地方の方言に「ちゃっと~する」というのがあるのを今の世代の遠州地方の人は知っているでしょうか。私の親世代くらいでは日常使われていましたが、今あまり使われてないと思います。
「ちゃっと やっとくりょ」 「ちゃっと やんない」
というのは
「すぐに やってくれ」
という意味です。
チャットGPTについて、自宅でパソコンを使って調べていたら、ペットのネコが、いつものように、私にまとわりついてきました。
私に「ニャーニャー」泣いているときは、餌が欲しいか、外に出してほしいことが多いのですが、たまに、何をいいたいのかわからないことがあります。
こういう時こそ、ネコの相談に乗ってくれる
キャットGPTがあれば・・・と思います。
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5月のタタキ
2025年5月4日|院長ブログ
5月はカツオのおいしい季節。
表面をあぶって、お醤油につけて食べるカツオのタタキは最高ですね。
以前、バイク仲間とツーリングで南国の土佐にカツオのタタキを食べに行ったことがあります。
カツオのタタキを食べるためだけにバイクを走らせる、というツアー。
私は「一杯のコーヒーを飲むためだけに、真冬の夜、100㎞の道のりをバイクで行く」
というような変なことにあこがれていた時代がありましたがなぜか
私のアイデアが共感を呼んで、20代の女の子も含めて、バイクの免許を持っている12人が参加しました。
旅程はというと、
西宮の港からフェリーに乗り四国へ。
二等客室は、移民船のザコ寝状態でした。汚れたTシャツ着て貧乏な格好の私たちも船内の風景に妙になじむ。
翌朝早く四国に上陸し、高知県の観光地を転々としたあと、ある料理屋で、土佐ならではのカツオのタタキを腹いっぱい味わいました。
その後四万十川を遡行し、四国の林道を抜けて、本州に戻ってきました。
人口のまばらな山中、3ケタ表記の国道は、林道と呼ぶにふさわしくそれこそ、ジャングルの中。
現代のお遍路さんは、菅笠のかわりにヘルメット、白衣のかわりにバイクジャケットですが、
バイクがコケないように、ひたすら前の路面に集中したおかげで 煩悩はふっきれました。
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国際 ダンスの日
2025年4月30日|院長ブログ
4月29日は国際ダンスデーだそうです。フランスの有名な舞踏家にちなんで決められた日なのだそうです。
世界のあちこちでは、ダンスに関係したイベントが開かれています。
体を動かして自己表現することは、元々人が生まれながらに持っているもの。ヒップホップやクラシックダンス、バレエだけでなく、古来日本人も盆踊りとかで踊ってきました。
長寿で知られる沖縄の伝統的な島々では、老人たちが集まって、踊って楽しむライフスタイルが長寿の秘訣だそうです。
私も仕事ではじっとしていることが多いので、ダンスでも覚えてみようかなと思っています。でもちょっとしたダンス教室では、コンテストや競技に集中している人ばかり、中年男性の初心者が気軽に参加できるダンスの場所って、なかなかないんですよねえ。
人前で思い切り踊った記憶といえば、大学生の頃のディスコ。激しくお尻をフリフリ踊っていたのが、私のダンス人生のハイライトです。
ダンスパーティーを「ダンパ」と呼び、合コンは「コンパ」と呼び、
ダンパ、コンパ、ダンパ、コンパに明け暮れていた日々があります。
モテたいと思って、踊っていましたが、全然モテませんでした。
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今、仕事で、エコーで胎児を見ていると、うれしくて踊っているように見えるんですよねえ。
16週です。踊っているようです
14週のベビー
踊っているみたいに見えませんか 17週
人間て本来踊るのが好きなのかもしれないと思います。
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アウトドアの仕事
2025年4月27日|院長ブログ
今日は晴れていい天気でしたね。
私は、もともと外で活動するのが大好きです。
昔、学生の頃、工事現場のバイトをしたことがあります。
工事現場での日雇い労働者のバイト。
大阪の西成区に日雇い労働者の集まっている地域があります。いわゆる「ドヤ街」。日中訪れると、酒をのんだ酔っぱらいのおっちゃんが路上をウロウロしていて、なんとなく危険な雰囲気のエリアなのですが、関西一円に労働者を送り出すセンターでもあります。
「日本の労働衛生の実情を海外の医学生に見せよう」というテーマで海外から訪問してきた外国人の医学生の案内ツアーを、私が企画したのですが、現場を実際どのようなものか見たことがなかったので、好奇心もあり自分で体験してみました。
朝の4時に、マイクロバスが人集めのため、近畿地方の工事現場からここに集まってくるのです。
バスのフロントガラスには職種と労働条件、賃金が書いてあって、労働者は気に入った条件のクルマに乗り込む。
毎日屋外で力仕事をしている人々の肌は浅黒く、腕のまわりに筋肉がもりもりついている。
ひょろっと背の高くめがねをかけた、やせ型色白の医学生であるぼくは明らかに場違いでしたが 一台のバスに乗り込んでみました。
定員が一杯になるとマイクロバスはまず飯場に向かい、 そこでどんぶり飯をたらふく食べさせてもらった後で、工事現場へと出かけるのです。
現場で私はスコップ持たされて、指示されたとおりに、一日中土を掘りました。
慣れないスコップの扱いで筋肉痛は残りましたが、賃金は悪くなかったです(当時1日1万2千円くらい)。
日ごろ、この職種の人々(つまり現場で汗を流している人たち)に接する機会がないので 気が付かなかったのですが、彼らは自然の移り変わりに親しい。
いっしょに仕事したおっちゃんは、休憩の時にぼんやりと寝そべってタバコをすいながら青空を見上げる。
どこかで鳥の声。 「あれはホオジロやね、こんなところでめずらしい、 あっちはシジュウカラ。いまごろヒナかえすんや。」
タケノコ掘りをしているとこをトラックで通りかかると 「ちょっと見ていこや。にいちゃん、タケノコの堀り方は知っとおか?」 しばしトラックを路肩に寄せ、ぼーっと旬の作物が取れるのを眺めているのです。
風のにおい。季節の移ろい。季節の花。
屋外で仕事をしているおっちゃんたちは、私が思っていた以上に、優しい人たちで、季節の移ろいを敏感に肌で感じ取っていました。
天気のいい日になると
(お前こんなところでデスクワークしていて、いいのか?)
心の声が、外に行け、外に行け・・・とささやきます。
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眼は口ほどにものを言う
2025年4月23日|院長ブログ
鼻から入れた牛乳を目の涙腺のところから出してどのくらい遠くまで飛ぶか世界記録に挑戦した人のことを
先日あるテレビ番組で披露していました。「目」は重要です。
マスクで顔を隠して仕事をしているこのご時世、口や顔の表情筋が見えないので、「目」「眼」はコミュニケーションのための重要なパーツです。
診察の時でも、私は患者さんの目をよく見るようにしています。
妊婦健診の時に体重増加が多くて、「あなた食べすぎていないでしょうねえ」と聞く時とか、ピルの処方をする前に タバコの臭いがする人に「タバコ吸っていませんよねえ」と聞く時など、おそらく捜査官なみの注意力で相手の瞳を見ていると思います。
じっと見ていると、不自然に大きいカラーコンタクトや、不自然な美容整形の二重まぶたなども発見しますが、「眼は心の窓」で、相手の感情の変化がわかりやすい。
私が医学生の時、意表をついた質問をして学生をびっくりさせる脳外科の教官がいました。
「君、目をみて何がわかる?ん?」
席の前の方で、当てられた学生は、いきなりの質問にびっくりしましたが、一呼吸置くと彼はこう答えました。
「先生、愛がわかります。」
教室は爆笑の渦につつまれました。
でも確かこの人は脳外科の試験に落ちたと思う。
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虫もめざめる季節
2025年4月20日|院長ブログ
部屋の中にハチやら蚊やら小さな虫が入ってくる季節になりました。
お客さんで嫌がる人がいるので、なるべく入らないようにしていますが、本当は無駄な殺生はきらいです。
子供の頃、カタツムリの収集に夢中になり、大学でも生物学やっていたし、どんな虫でも興味は持ちます。
歩いて出勤途中に道端でエサを運ぶアリを発見「アリも人間社会みたいに社会性があってすごいな」と見入っています。
でも虫って、男の子の興味は引くけど、女の子はきらいな人多くないですか。
周りに女性が多い職場になって、うんざりさせられることの一つに、
「ぎゃー 変な虫、なんとかしてえ」と騒がれること。
周りに畑が多いので、網戸など厳重にしていても、どっかから小さな虫が入ります。
ムカデ、ヤスデ、羽アリ、ダンゴムシ、クモ・・・
「変な虫」イコール「殺して、排除して、どっかへやっちゃって」
くらいの反応しかないんですか、あなたたちは。ハイハイ、私がつかんで捨ててあげますよ。
ヤスデみたいな毒のないものは、ティッシュでそっとつかんで、ドアから外へぽいっ!
ゴキブリは衛生害虫なので始末しますが、手で捕獲することにためらいはありません。
虫に対する男性と女性の反応の違いって、進化の過程で選択されてきたんだろうか。
今、私、クリニックで医者をしていますが、私にしかできない仕事といえば・・・
1.女性の嫌がる虫を手で捕まえること
2.天井の蛍光管を、イスに乗って(キャタツ使わず)替えられること
3.女性スタッフが「壊れました、新しいものを買ってください」という電気製品が、接続不良だったり、電池切れているだけで、ちょっと直せば使えることを身をもって示すこと
です。
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アートセラピー
2025年4月20日|院長ブログ
スイスのある町が、美術館の入館料を無料にして、患者を治療しようという試みをしているというニュースを読みました。
その地域の医師が発行する処方箋(あるいは診断書)があると、入館料がタダになるのだとか。
世界保健機関(WHO)が「美術は病んだ人の心を癒し、認知機能の低下をおさえ、身体機能の維持に良い作用がある」という発表を根拠にしてはじめた試みだそうです。
たしかに、良い美術品に触れることは、心を癒す効果があり、家から出て、美術館へ歩かせることも、うつ状態の人には良い効果があります。
映画に行くこと、ダンスに行くことも「医師の処方」にしたいと担当者は考えています。
コロナのパンデミックで、人々の活動が制限され、美術品に触れることが、いかに心の安らぎにつながっていたか気づいたことも、きっかけの一つだったそうです。
私のクリニックにも心身の不調を感じる人が日々訪れますが、運動不足だったり、気分転換できていない人も多い。
仕事や家庭以外で、人と会うとか新しいものに触れることも大事と思っています。
さて、アートに触れることも治療になるなら、園芸で自然に触れることも治療になります。
たまたま今日は良い天気で、気温も暖かく、虫も出てこない絶好のコンディションで、ホームセンターに行ったら、今が植え時の、夏野菜の苗(トウモロコシとかトマトやピーマン等)が売られていて、私は気持ちがウキウキしました。
かぶ ドット混んでいたので間引きしました
畑で鍬(クワ)をふるう手にも力が入り、一日の終わりに心地よく疲れました。
ヒヨドリやスズメ、ヒバリの春を告げる鳥の鳴き声を聞きながら、おこした土の新鮮な匂い。芽を出したばかりのみずみずしい草の匂いと手ざわり。
「園芸療法」という治療法が、一部の心の病気の人には効果があることが知られているのですが、うちの患者さん、畑に連れてって、農作業させたら、治療になるんじゃないかなあ、と思いました。
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幼少の頃
2025年4月16日|院長ブログ
私小さい頃「キリン」というあだ名をつけられていたことがあります。
クラスで一番(とはいっても一学年に一クラスしかない小学校だったので学年で一番)背が高く、ひょろっとしていたからです。
私(左)小学校2年か3年の頃。妹(幼稚園)とツーショット
否定しようのないネーミングですね。
私の体格はひょろっとして筋肉がついていないので、瞬発力が必要な競技は弱い。腕力がなく棒のぼりも苦手。動体視力も悪かったのか、ソフトボールやサッカーなどの球技もいまひとつでした。
唯一楽しめたボール競技はドッジボールで、逃げ回る楽しさを覚えましたが、
以来人生で逃げ回ってばかりです。
闘争心ゼロで、相撲も弱い。
ずる です
腕立て伏せをやらせれば、お腹だけを地面につけたり引っ込めたりして、先生に怒られていました。
今思えば小学生で運動のうまい下手などどうでもいいことで、健康であればいいのですが、人生の始まりのほうで苦手意識を植え付けられ、その後ずっとひきずっています。
短距離走でスパートしようと思って、めをつぶって全力を出して走ったつもりが、いつの間にか隣のレーンを走っていたこともありました。
こういう私でもそれなりに社会の中でやっていますので、スキルのない人でも暖かく見守ってあげなくては と思います。
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開院祝い
2025年4月13日|院長ブログ
私の住む市内に小児科が開院するというので、本日、内覧会に行ってきました。
駅前のきれいな建物で、中には送られた花が沢山並べられていて、新規開業っていいなと思いました。
さて、開業のお祝いの花というと、クリニックでは蘭の花が多いのですが、私のクリニックが開業したときに、私に「イモ」の鉢を送ってきた友人の医者がいました。
イモは「クワズイモ」という観葉植物ですが、よくみんなで集まって歌っていた、カラオケクラブの「規約」が開業祝いのメッセージになっていて笑わせてくれました。
どうせ割り勘
「和をもって尊しとなす」
「遅れても来る」
「どうせ割り勘」
病院の仕事がいくら遅くなっても、カラオケ代金はワリカンでした。20時から0時過ぎまで歌っているので、遅れて参加できないことはなかった。月に一度の集まりだからムーンクラブです。
その友人の医師も、今年は奄美大島の離島で開業することになり、漁として海に出ながら、片手間に医者をやるという、素晴らしい生活をしています。
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アヘン戦争
2025年4月12日|院長ブログ
大量に密輸された麻薬で、アメリカ人の多くが麻薬中毒になっている。
なんとかしなければ・・・
トランプ大統領が、周辺の国にとんでもない関税をかけている理由の一つは、中国から入ってくる麻薬の流れにストップをかけたい、からです。
フェンタニルという鎮痛剤は、強力な痛み止めであると同時に、麻薬として働くので、多くのアメリカ人がフェンタニル中毒になってしまっています。
そのフェンタニルは、原薬が中国で製造され、メキシコから国境を越えて入ってくるのだ、とか。
「現代のアヘン戦争だ」と言っていた人がいましたが、19世紀のアヘン戦争は、今の中国とイギリスの間で起こった戦争です。
アメリカでは簡単に麻薬が処方されてしまうので、医療用の麻薬中毒で苦しむ人が激増して問題になっています。
私も仕事柄フェンタニルを使うのですが、フェンタニルはよく効く鎮痛剤です。しかし日本では管理がとても厳しい。
コロナのパンデミックでみなおされた習慣の中に、公文書の「ハンコ省略」があります。
ハンコを押すためだけに会社に行くとか、書類をそろえるためだけに、あっちこっち行くのは無駄だ、という教訓を今回のコロナウイルス感染症はもたらしてくれました。
しかし、麻薬管理の文書のやり取りは こんな世の中の動きに、依然として逆らっています。
保健所が厳しい管理をしているので、日本はアメリカのようにはならないでしょう。
今回2年ぶりに麻薬を扱う許可証の更新をしましたが、申請書類のこことここに押印しなさい、あなたの診断書もつけなさい、コピー2部つくりなさい、といろいろ面倒でイヤになります。
管理者として、2年に一回更新の申請をする。診断書も添えて提出。購入には「麻薬譲受証」を印鑑のついた書類を添えて薬品卸の業者に依頼する。
とても面倒くさいです。
分娩の痛みを取る時にある種の鎮痛薬を少し加えるとぐっと効きがよくなるので、この免許が必要なのですが、
麻薬の使われ方では、世界の中で日本は厳しい方です。
ガンの末期の患者に、どうして日本の医者は麻薬をもっと使って痛みをとってあげないのだ、と海外から批判にさらされた時代もありましたが、こういう厳しい規制が麻薬のまん延を防いでいるとも言えます。
私の友人の医師が、たまたま尿路結石にかかって、激痛のため、治療の時にペンタゾシンという麻薬性の鎮痛剤をうってもらった経験を話してくれましたが、「フワフワとして気持ちよかった」そうです。(2回や3回の注射では麻薬中毒にはなりません)
麻薬はうたなくても、脳内で作ることができます。