院長ブログ
麻薬と鎮痛剤
2020年9月30日|院長ブログ
「ハンコや無駄な書類をなくそう」
ハンコを押すためだけに会社に行くとか、書類をそろえるためだけに、あっちこっち行くのは無駄だ、という教訓を今回のコロナウイルス感染症はもたらしてくれました。
しかし、こんな世の中の動きに、依然として逆らっているのが、行政や保健所に出す書類です。
今回2年ぶりに麻薬を扱う許可証の更新をしていますが、申請書類のこことここに押印しなさい、あなたの診断書もつけなさい、コピー2部つくりなさい、といろいろ面倒でイヤになります。
分娩の痛みを取る時にある種の鎮痛薬を少し加えるとぐっと効きがよくなるので、この免許が必要なのですが、
麻薬の使われ方では、世界の中で日本は厳しい方です。
ガンの末期の患者に、なぜ日本の医者は麻薬をもっと使って痛みをとってあげないのだ、と海外から批判にさらされた時代もありました。
しかし、最近では、簡単に麻薬が処方されてしまうアメリカなどでは、医療用の麻薬中毒で苦しむ人が激増して問題になっています。
私の友人の医師が、たまたま尿路結石にかかって、激痛のため、治療の時にペンタゾシンという麻薬性の鎮痛剤をうってもらった経験を話してくれましたが、「フワフワとして気持ちよかった」そうです。(2回や3回の注射では麻薬中毒にはなりません)
毎年9月には、私のいる磐田市の見付で裸祭りという大きな祭りが開かれています(今年は中止)
この祭りの見ものは 腰ミノだけをまとった大勢のハダカの男衆が、見付の宿場町を練り歩くのです。
「ワッセー・ワッセー」と大声をあげて通りを練り歩く人々に、見物客が参加して、大きな盛り上がりを見せます。
そこにしかない高揚感と一体感。
調子を合わせて歌や踊りをするものですが、歌い続けていると、一種のトランスの状態になり、エンドルフィンと呼ばれる脳内麻薬がバンバン出た状態になります。「ハイ」になります。
麻薬はうたなくても、脳内で作ることができます。