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院長ブログ

  • 甲状腺のホルモン

    体調が悪い人の診察をしていて、たまにひっかかることがあるのが甲状腺です。

    倦怠感やむくみ、あるいは動悸がひどい、汗をかく、などで更年期かもしれないと婦人科にかかる方もいますが、甲状腺の異常があっても同様の症状が起こります。

    また生理が来なくなる現象も甲状腺機能が低下すると起こります。念のために甲状腺も調べてみると、中に甲状腺機能が異常な値を示していることがあります。

    (調べたうちの10人に一人いるかいないかの頻度なのでそれほど多いわけではない)

    甲状腺とは何をするところか。 体の代謝に関係するホルモンを出すところです。

    代謝って何? 簡単に言うと、体のエネルギーの燃え方を調節することです。 甲状腺ホルモンを体外から取り込むと代謝が活発になって、体重が減るのでやせ薬として違法に薬が売られていたことがあります。

    「簡単にやせられる」やせ薬として、あるサイトで販売されていたことがありますが、使用者が死亡するなどの副作用が出たため調査が入り、その中に甲状腺ホルモンを含む物質が入っていたことが発覚したという事件が以前、ありました。

    甲状腺ホルモンは体の基礎代謝を活発にする働きがあるので、体の脂肪の分解は進み、発汗が亢進するため、肌はツヤツヤしっとり、目はぱっちり

    女性では美人と呼ばれる条件がそろいます。

    ただし
    甲状腺ホルモンが異常に出る状態は甲状腺機能亢進症あるいは発見者の名を取ってBasedow病(バセドウ病)と呼ばれます。

    不整脈、眼球が出てくるといった症状が出たり、汗をかきやすくなったり、体重減少が起こったりイライラした精神症状が出ることがあります。

    最近ある女性芸能人がバセドウ病であると公表し話題になりました。

    逆にこの甲状腺ホルモンが低下する病気の一つにハシモト病があります。

    これは日本人の橋本博士が第一発見者だったからで、この名は医者の間では広く世界で認知されています。

    甲状腺ホルモンを作るのに不可欠なのが「ヨード」という物質。

    うがいに使う「イソジンうがい薬」に含まれていたり「健康・ヨード卵」に含まれる物質として知られます。

    日本人は海草を食べる習慣があるので、もともとヨードの摂取量は多いのですが、放射性ヨード(放射能を帯びたヨード)の取り込みを阻害するために原子力発電所の事故で放射能汚染があった時には予防のために配布されることもあります。

    チェルノブイリ原子力発電所の放射能漏れ事故の後、地元住民に甲状腺ガンが急増したこと、覚えている人あるでしょうか。

    ヨードは、濃い状態では殺菌作用があるので、医療用として皮膚の消毒に使われます。

    以前インドネシア人のドクターを前に

    「ヨードの消毒、日本でも使ってますけど、インドネシアで見るとナシ・ゴレン(焼き飯)のソースのように見えますね」

    と言ったら、大ウケでした。

    さて、甲状腺のネタで笑える話はないかと考えてみたのですが、最近はやりの「Chat GPT」を使って探してみました。

    「甲状腺に関係したジョークを教えてください」

    と入力したら以下のような出力でした。(完全にコピペしました)

    ******************************

    こちらのジョークはいかがでしょうか。

    Q: 甲状腺機能亢進症の人が昼食に何を食べるのが好きですか?

    A: サラダ、サラダ、サラダ!(サラダ→Salad, 機能亢進症→Hyperthyroidism)

    もう一つのジョークです。

    Q: なぜ甲状腺はコンピューターにとって重要なのですか?

    A: それは、T4とT3のようなコンピューターにとって非常に重要なハードウェアを供給するためです。

     

    ・・・・・・皆さん、笑えますか?

    ChatGPTの実力って、こんなもんです。

    (注:甲状腺機能亢進症のことを英語ではHyperthyroidism(ハイパー・サイロイディズム)と呼ぶ。「サイロイディズム」をアメリカ英語で読むと「サラダ」に聞こえるため笑えるとChatGPTは判断したのでしょう)

    T3,T4とはSF映画のターミネーターをイメージして作ったジョークでしょうか、だとすれば、いい線いってる)

     

  • 更年期って何

    産婦人科では生理のトラブルにかかわる相談を受けますが、閉経や更年期についての相談も多いです。

    更年期の症状は人それぞれで、閉経をむかえても、何も困らない人から、いろんな症状で仕事や日常生活に差しさわりがある人まで程度もいろいろです。

    よくみられる症状は、「ホットフラッシュ」と呼ばれる、顔のほてりや上半身の発汗、肩こりや手足の冷え、疲れやすい、イライラする、不眠などの症状です。

    女性ホルモンのエストロゲンの減少で起こると言われています。程度の軽い人は治療する必要はありませんが、治療には漢方薬やホルモン補充療法が効果があります。

    更年期症状の治療については日々話をするのですが、先日、「どうして閉経があるのか」という興味深い話を聞きました。

    ほとんどの動物は、閉経がない。犬とか、ネコとか、馬とか「子供を産むことが可能な年齢」の終わり・イコール「寿命の終わり」だそうです。

    生理(月経)が終わって(子供を産むことができなくなって)もその後長年生きているのは「人間」と「クジラの一種」だけだとか。

    人間の寿命も、長い歴史の中で、近世までは「人生50年」と言われていました。徳川家康みたいに70代まで生きていたのは例外でした。

    閉経後も30年以上生存するような現代社会で、閉経後の女性、またはおばあちゃん(一部の方にはいやな言い方と感じる方もいるかもしれませんが、わかりやすく表現するために使います)がいることの意味は何なのか?

    ある文化人類学者によれば、家族の中におばあちゃんがいて孫の面倒を見ることで、母親が育児の負担を少なくすることができ、子育てがしやすくなる、出産する子供の数が増え、結果的に少子化しにくくなるのだそうです。私の経験でも、産後の生活の中で、出産した女性のお母さん(おばあちゃん)が家事や育児を手伝ってくれることで、出産した人の疲労感が全然違います。

    クジラでの研究でも、おばあちゃんクジラがいるクジラの群れのほうが、全体として群れの生存率が高かったという報告があります。

    ここ数十年は、核家族化で、しがらみを逃れて孤独に生活する人が増えましたが、大家族で暮らしていたほうが、結果としてメンタルや身体面で良い影響があることが、わかってきました。

    更年期、というと人生が終わったような暗いイメージを持つ人が多いですが、初経(初めて生理が来た時)と同様、人生の通過点としてとらえたほうが良いという話でした。

    生理がある年齢を過ぎても、人が元気に過ごしている社会。

    50年前くらいまでは、こんな世の中、人類は想像できなかったかもしれません。

    これこそ「バーチャル・リアリティ(VR virtual reality)」ではなくて

    バーチャンのリアリティ」が存在する社会です。

     

  • パスワード

     

    KIMG0701 こないだ、街のATMでお金を引き出した時に、キャッシュカードの落とし物を見つけました。

    落とし物があったことを連絡してあげようと、ATM横の通話用の受話器を取り上げたところ、

    なんと、ATMの別の場所にもう一つ別のカードと預金通帳のケース(別の人の名義)が目に入りました。

    なんてことだ、キャッシュカードを忘れるなんて。

    しかも同時に二人。

    呼び出し電話の向こうの人は、キャッシュカードの番号を聞きました。

    私は、コンピュータの自動音声のマネをして、抑揚のない声で

    「いち、ごー、ぜろ、さん・・・はいふん、にー、にー、ろく、よん・・・」と16桁の数字を伝えました。

    (マジメにやっていると、結構笑えますね)

    人間が機械に使われる時代も、もうすぐかあ

     

    さて 銀行からお金を引き出すのに、こんなにセキュリティがユルい人がいるその一方

     

    インターネットで銀行の口座を開くときは面倒になってきましたね。
    パスワード一つとっても昔は4けただったのが、今では、

    「英字を一つ以上入れてください」「大文字と小文字を入れろ」

    「8文字以上にしてださい」

    「英字、数字 以外に記号を一つ以上入れてください」

    第二暗証、第三暗証、ワンタイムパスワード、電子証明書 etc.

    どんどん複雑になっています。

    私がクリニックの運営を始めたこの12年間で、開設した銀行の口座 6件、解約した口座5件 あります。

    求人募集サイト、アスクル カウネット 医療機器販売のサイト、学会、レセプト請求 電子カルテのダウンロード等

    ブラウザからパスワード入力しないと仕事できないサイトが20件以上

    「定期的にパスワード変えろ」

    「だれにもわからないようなパスワードにしろ」

    など、(バカいうな)と叫びたくなるようなことが書いてある。

    記憶力の悪い自分は泣きそうです。

    開業直後はに忙しくて、キャッシュカードのパスワードをうっかり3回間違えてしまったことがあります。

    しばらく使えなくなってしまいました。
    最近は、「パスワードを書いた場所を忘れてしまった事件」も起こりました。誰にも聞けないし、情けなかったです。

     

  • FGM female genital mutilation

    normal

    以前のブログで男の子の性器の皮を切る手術の話をしましたが、イスラム社会、ユダヤ教の社会では、広く行われている習慣で、

    「割礼」とも呼ばれます。

    世の中には女性版の「割礼」もあります。

    女性器のクリトリスや小陰唇を切除してしまうもので、FGM(female genital mutilation)(女性性器切除)と呼ばれます。

    中央~西アフリカの一部で現在でも行われています。

    女性のこの習慣については、西側諸国の女性人権団体が、「すぐにやめるべき」と運動しています。

    男性の割礼、FGMともその社会の中の通過儀礼として「誰もが経験すること」とされているので、なかなかやめさせるのが難しい。

    今の日本に住む私たちからすれば、皮を切るなんて、なんて残酷、と思うかもしれませんが、

    かつて日本でも、性器を手術したいと考える人が沢山いた時代があったのです。

    私が産婦人科医になる、もっと前の時代。たぶん今から40年~50年くらい前のころ。

    お産で子供を産むと、膣が広がってしまい、産後のセックスで性感が得られない、と考える人が、かつては多くいました。

    そこで、お産をしたときに、医者に頼んで、「わざと膣が狭くなるように縫う」ことがかなり行われていたようです。

    処女信仰のある時代には「処女膜再生術」という手術の方法もありました。

    正確な資料は持ってませんが、私がかけだしの医者の頃、私に「膣を小さく塗ってください」という産婦がいました。

    また、数年前に「尿がちゃんと出ない」と言って、私のところに診察を受けにきた60代の女性がいましたが、

    尿道の出口のところで、左右の小陰唇が、縫い合わせられた状態になっている症例を見ました。

    本当のところは教えてくれなかったのですが、産後に膣を狭くする目的で縫合したとしか考えられませんでした。

    膣の皮を縫って狭くしたくらいでは、産後の性感が良くなることはなく、痛みがひどくなるだけなので、

    この手術は時代とともに廃れていったと思われます。

     

    時代が変われば考え方も変わります。

    今普通と思っていることが、将来は普通でないかもしれない。

    自分をしばっているものがローカル・ルールだったとわかると、生きるのが楽になることがあります。

     

     

     

  • さわやかな季節

    桜の花も咲いて、春らしくなりましたね。

     

    気分もさわやか・・・

    さわやか と言えば、炭焼きレストラン「さわやか

    これを知らずして静岡県人じゃないでしょ。

    という店で、県外から来た友人を案内するのに、この店をたまに利用します。

    名物げんこつハンバーグは、目の前で切ってもらって、熱い皿の上でじゅうじゅう肉汁が飛び散るのが醍醐味。やわらかくて肉汁たっぷりアツアツのハンバーグはここならではの味だと思います。

    地元の人間には、この作り方が良いのですが、以前アメリカに滞在中に、地元おいしいと評判のステーキ屋に行ったことあります。

    焼き方とか聞かれますが、ビーチサンダルみたいなどでかい肉の塊が出てきて、肉が噛み切れないくらいで、調味料の使い方も違っていて、自分にはそんなにおいしいと感じなかったので、日本人とアメリカ人のステーキの好みも生まれ育ちでも違うものだと思いました。

     

    「さわやか」の味はいいのですが、足が向かない理由もあって、一つは、自分が訪れる時間帯(夕方から夜)は混んでいて、店内で着席するまで待たされることです。

    私は外食で待つのが苦手で、「外食で待たされる」時間があれば自分で作っちゃったほうが早いかな と思ったり、この空いた時間を使って仕事をすれば、もっと生産性の高い時間が過ごせるのに、と思ったりします。

    「ママお腹すいたあ」と言って大声を出してゴネている子供たちと同じ場所にいて、こういう子供のいる家族のママは私のクリニックに来ていることがあり、(こういう場所で顔合わせたくないな)という気持ちと、私自身大柄で目立つので、なんとなく隠れたくなってしまうのです。

    ほどほどの値段でお肉を味わえるのが「さわやか」のいいところですが、妊娠している人からこういう質問が出たことがあります。

    「妊娠中、生肉食べちゃいけないって(ネットに)書いてありますよね。さわやかに行ってハンバーグ食べて、中が生だったんだけど大丈夫ですか?」

    衛生管理されている肉なので生でも心配ないと思う、とお答えしています。トキソプラズマ症のことは私も知っていますが、私が妊婦さんを診ていて、肉からトキソプラズマに感染した事例は経験していません。

    さて、出産した人に、私は子供の名前を聞くことがあるのですが、子供に「颯人」と名前を付けた人がいて、「颯爽(さっそう)のソウ」の字ですよね?と聞いたら「いえ違います、サツのほうです」と答えられ、「さっそう、って読めるけど、書けないんですよねえ、アッハッハ」言ってしまい、

    後味の悪い、「さわやかではない」会話をしてしまったことがあります。

     

  • 探検部と川下り

    保津川で観光船が転覆したというニュースを聞き、私も保津川下りをしたことを思い出しました。

    私は大学生の頃、探検部に入っていました。

    探検部は何をするところかというと、文字通り「探検(たんけん)」をするところです。70年代に「探検ブーム」というのがあり、アマゾンの秘境とか、ボルネオのジャングル探検とか、世界の辺境を見てみたい、というトレンドがあり、そのブームの名残で文化部系の一部として存続していたのですが、ごく簡単に言ってしまうと「アウトドアレジャー部」みたいなところでした。当時すでに「探検スピリット」みたいなものはありませんでした。「アウトドアで酒を飲む」人たちの集まりになっていました。

    具体的には「海のダイビング」「ケイビング(洞窟探検)」「川下り」「登山」の4つのパートに分かれていました。私は高校の時に山岳部だったのと、ダイビングや洞窟と違って、費用がかからない、という理由で「登山」をしていました。山岳部も同じ大学にはあったのですが、「アウトドアで酒を飲む」ほうにひかれてしまいました。

    ボートによる川下りは、乗っている時は楽しいですが、保津川だと、駅で一駅下ったところまでで、そこからボートを陸に引き上げ、空気を抜いてたたんで、電車に乗って運んで、またスタート地点の駅に戻ってこなければならない。(保津峡から亀岡あたりまで)1時間に2本くらいしかないので結構時間がかかる。

    楽しいのは一瞬で、そのあと、ボートをたたんだり、運んだり、電車を待ったりしないといけないので、「一回でいいかな」と思えるような遠征でした。

    この時のボート下りでは、水浸しになりましたが、落ちることはありませんでした。

     

    でも当時の探検部に私が好きな女の子がいて、私は「つきあってください」と告白しましたが、断られました。

    見事に沈没しました。

     

     

  • ヘビに咬まれた外国人

    コロナの感染が減ってきて、また外国人の観光客を見かけることも増えてきました。

     

    病院に来る外国人の患者さんもここ何年か増えてきていていますが、医療現場でもいろいろとトラブルがあったりします。

    私が総合病院の勤務医で救急当番をしていた頃の話。

    ある日救急当直をしていたところ、40代くらいの体の大きな外国人(アメリカ人ぽい)夫婦が病院にやってきました。

    男のほうは片手に大きなプラスチックの水槽を抱えて。反対側の手には包帯をまいていました。

     

    彼らは市内に住むアメリカ人の夫婦で、自宅の庭の手入れをしていた。

    垣根の枝を刈っているときに、近くにヘビがいるのに気づかず、茂みの中に手を伸ばしヘビに噛まれてしまったのだという。

    ギャア、毒蛇!?と本人はびっくり仰天。

    実際、日本(本州)の市街地には強い毒を持ったヘビはいません。


    しかし、日本へ来て間もない(という)彼らはそんなことは知らない。

     

    咬まれた彼は勇敢にも、ヘビの首根っこを捕まえて、新聞紙にまるめこみ、プラスチックの水槽を探し出してくるとその中へほうりこんだ。

    必死で開いている救急病院を探し、この病院へやってきました。

    「それが、これです。」

    といって、彼がその水槽を私の目の前の机の上に置いた。

    私がふたをあけると、いきなりヘビが鎌首をもちあげて、顔を出し、水槽から出てきた。

    「ヒャアー・・・」

    患者さんや、興味半分でのぞきこんでいた数人の看護婦、同じ部屋にいた他の研修医が

    クモの子を散らすように

    部屋の隅の方まで逃げていってしまいました。

    私もビックリしましたがここで逃げては男がすたる。

    冷静なフリをして、ゴムの手袋をつけて(噛まれたら全く意味がないのだが)ガーゼを挟む鉗子を引っ張り出してきた。

    鉗子を両手にカニのハサミのように持って、かなりへっぴり腰で水槽に近づくと、半分水槽から出かかっていたヘビの首根っこをガシッとつかみケースの中に押し戻した。

    救急部に置いてあった毒蛇図鑑によれば、どうも問題ないヘビのようで一安心。
    患者には簡単な傷の処置をして帰ってもらうことになった。

    ホンシュー・アイランドにはポイズンのあるスネークはいませんよ ハッハッハッ」と、アヤしい英語を振り回して、私は患者を説得したが、

    本当に患者が納得してくれたかどうかはわからない。

    「このヘビここで、処分してくださいよ」とアメリカ人。

    「いやー、あなたが持ってきたんだから、持ってかえって下さいよ。」
    と押し問答になったが、

    結局引き取れないとこっちがゴネたので持ってかえってもらうことになりました。

    ヘビを見ると、救急のあの一件を思い出します。

  • 花見の季節

    桜のシーズンになりました。
    春といえば花見や歓迎会のシーズン。コロナ前のように人出は復活するでしょうか。

    私が学生の頃は、花見はしましたが、花見という理由をつけて外でお酒飲んで騒いでいた気がします。

    この時期に思い出す、医学生のころの悲しい思い出があります。

    私は友人と飲みに行って、酔っ払って、記憶がないくらいに飲んで、
    店を出て歩いている時に足がよろめいて、どこかに頭をぶつけた(そうです)。

    以下は自分の記憶にない、聞いた話。

    たまたま飲んでいた場所が、大学病院の近く。

    私といっしょに飲んでいた友人の先輩が救急の医者だそうで、「いちおう頭を見てもらっておこう」と考えた友人は酔って動けなくなっている私を救急部に連れていった(らしい)。

    アル中患者といえど、脳内出血があるかもしれないと、私はCT室に連れていかれた(らしい)。

    やっかいなことに、そこでゲロゲロ吐いた(そうだ。検査室の人やナースには超ヒンシュクだったらしい)。

    CT検査では何もなかったものの、一応朝まで経過観察とされた。

    大病院の救急部に酔っ払い、しかも自分の大学の医学生が来るなんてケシカラン、と上の先生から後ですごく叱られました。

    悲しかったのは
    私が翌朝目覚めてみると
    私の尿道には導尿のバルーンカテーテルが入れられ、腕には太いゲージの点滴が入っていた。

    若い看護師にパンツ脱がされるなんて恥かしかった。

    人生最大の恥ずべき日でした。

  • ヒッチハイク

    コロナも下火になり、旅行に出かける人も増えてきましたね。

    ヒッチハイク したことありますか? されたことありますか?

    私は拾った方、拾われた方、どちらもあります。

     

    hitchhike_man

    私が知らない人のクルマに乗せてもらったのは、いずれも私が大学生だった頃で

    1)北海道旅行の途中 2)田舎道を歩いているとき 3)街中です

    北海道では、自転車旅行の途中でイヤになって、自転車ごとヒッチハイクで運んでもらおうと思って、

    道端に立っていましたが、雨ずぶ濡れ、風呂に入ってない小汚い恰好だったので、なかなか拾ってくれませんでした。

    20代くらいの男女数人が乗ったワンボックスが停まって「その靴脱いでくれるなら、入っていいよ」

    と言われ、自分が乞食のようなヨレヨレでずぶ濡れの靴を履いていたことに気づきました。

    こんな汚い恰好では、拾ってくれる人もいないのだ、と気づき、拾われるのはあきらめたのですが、

    幸い後日同じ道内で、土木業者のおっちゃんに拾われて、トラックの寝台で寝泊まりさせてもらったことがあります。

    そのかわり、土方作業の手伝いを一日しました。

    それ以外は意図せず、むこうのドライバーから声かけて拾ってもらったのです。

    茨城県に住んでいる時、1㎞先のバイト先へ田舎道をとぼとぼ歩いている時、クルマに乗った30代くらいの男性に声かけられました。

    「この道歩いている人、目的地は同じだから、時々拾ってあげるんだよ」と言って、

    私は団地の入り口まで乗せてくれると、そのまま去ってしまいました。

    また、大学に合格して、初めてキャンパスへ行ったときの話。

    大学への行き方がわからず、神戸の六甲道の駅前でうろうろしている時でした。

    50代くらいの女性が、

    「坂の上の方にいくんちゃう?私もそっちに行くから乗せたってあげるわ」と言って、クルマで5分程度の距離ですが、乗せてくれました。

    私を大学の近くでおろすと「ほなね」と言って車は去り、それっきり。

    神戸の人は洗練されているな、と変な感慨を持ったものです。

    私もいちおう、「後から何か要求されないか」と警戒しますが、これらのケースではその後何もなかったです。

    自分がヒッチハイクで知らない人を拾ったこともあります。

    大学時代、友達とクルマで移動中の高速道路のインターチェンジ。画用紙に行先書いて立っている若い外国人を拾ったことがあります。

    日本はいい国だと、思ってもらいたい。

    予定のルートをちょっと遠回りして、届けたことがあります。

    2004年、静岡県内で一人で車を運転していて、インターで、20代の日本人男性を拾った時には

    「ケンカして身ぐるみ取られて、住んでいた東京から大阪の実家に帰りたいのだが、金がない」

    とのことで、ヒッチハイクで、東京から大阪まで移動している若者がいました。

    当時私は一人暮らしで、病院の広い世帯向け官舎に住んでいて、部屋が余っていたので、

    自宅まで連れて行って、一晩彼を泊めてあげたことがあります。

    翌朝早くに、近くのインターまで送って、1000円を持たせてあげました。

    また別の話ですが、自分が20歳の大学生の時、英検を受験しに行った帰りに、同じく受験に来ていた見ず知らずの女子高生の子を

    バイクの後ろに乗せて、受験会場から駅まで5分ほど運んだことがあります。それっきり。

    今から思うと、どういう声のかけ方して、そんなことが実現したのか、思い出せない。

     

    自分は用心深い性格だと思っていましたが、結構知らない人に拾われたり、拾ったりしたことを思い出しました。

     

     

     

  • オンシとの思い出深い 春

    春ですね。卒業式のシーズンですね。

    学校生活で思い出す 先生はいますか?

    私にとっての恩師は、高校時代3年間ずっと担任だった、大迫先生という方です。私は部活が山岳部でしたが、大迫先生は山岳部の顧問もしていました。

    私が今、山好きなのは、この先生の影響が大きいです。高校の山岳部の時期に北アルプス・南アルプスの縦走、雪山登山、インターハイ挑戦、遭難事件等いろいろ経験しました。

    先生の担任は数学、身長は150㎝そこそこの小柄な体格でした。出身は鹿児島県で、普段は温厚な紳士ですが、怒ると桜島が噴火したように、びっくりするくらいの大声で怒鳴りつけます。

    私は1年生の頃ダラダラしていて、数学の成績がとても悪かった。学期末のテストで、ビリから2番目の成績だったことがあります。

    ボンヤリしてるから、そんなとこでミスするんだよ!」とこの先生に怒鳴られたこと複数あります。

    「お前なんかどうしようもない」と言って見捨てられていたら、今の自分はなかったはず。「このところをもうちょっと●●すればいいんだよ」と後でフォローが入ったので、なんとか数学嫌いにならずに大学に行くことができました。

    当時すでに私は身長が180㎝近くあり、身長150㎝の数学の先生に頭をペコペコ下げているのを傍から見たら変な風景だったはずです。

    卒業してからも同窓会で何度か顔を出していただく機会があり、私の中で大事な恩師の一人です。

    さて、この春は、私の頭から離れないもうひとつの「オンシ」があります。

    イヤでイヤで逃げ出したい「オンシ」です・

    それは「恩師」ではありません。「オンライン資格確認」。医療の業界では略して「オン資(おんし)」と呼んでいます。

    4月から医療機関で義務化されます。

    個人の開業医になると、導入するのに結構手間とコストがかかります。年配の医師とか「大変なので導入しない」という先生もまだ多いです。

    患者も医療機関もハッピーであるようなシステムになることを夢見て、泣きそうになりながら、「オン資」の説明書読んでます。

     

     

     

     

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