院長ブログ
腸内細菌
2020年9月14日|院長ブログ
便移植というセンセーショナルな治療がマスコミでも報道されたことがあります。
便移植と聞いてピンと来ない人に、わかりやすく言い換えると
「他人のウンコを食べる治療」です。
一部の難治性の腸炎に対して有効とされ、治験が広く行われるようになっています。
腸内環境が近年注目を浴びていて、私も消化器の先生の勉強会に顔を出してきたところです。
腸内環境が体の免疫系に与える影響は今まで考えられていたよりずっと大きい。
小児のアレルギー、アトピー性皮膚炎や喘息の発症と関係しているかもしれない。
今後新しいことが次々と出てくるでしょう。
生まれたての赤ちゃんは、腸内細菌のない状態で生まれてくるので、どこかで細菌が入って、腸内に定着するのですが、母親の影響が大きいといわれています。
衛生仮説という考え方があって、子供の頃に汚いところにいた方が喘息やアトピーなどアレルギー疾患の発生が少ないことがわかってきました。
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「多様な環境微生物への曝露、小児の喘息リスクと逆相関
Exposure to Environmental Microorganisms and Childhood Asthma.
NEJM 2011; 364:701-709.
農場に住む小児の喘息・アトピーの有病率および環境微生物への曝露状況を、2件の横断的研究で参照集団と比較。いずれの研究でも、農場に住む小児の方が喘息・アトピーの有病率が低く、多様な微生物に曝露されていた。また、曝露されている微生物が多様なほど、喘息リスクが低いことが示された(両研究のオッズ比0.62および0.86)。」
1960年代以前には、アトピーの報告がほとんどない
寄生虫が多い環境で育つ、熱帯地方の子供にはアトピーや喘息がほとんどない
事実もこれを裏付けています。
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さて
微生物の多い環境といえば、私、肥溜め(こえだめ)に落ちたことがあります。
肥溜めってわかりますか?
そう、畑の肥料として、人糞をためておく所。
小学生の頃、畑のあぜ道で犬の散歩をしていたとき、
急に犬が走り出し、綱に引かれた私は犬といっしょに、肥溜めの中にドボンしました。
あの臭いは一生忘れません。
クサくて・・・
おかげで私アレルギー疾患 フリーです。