院長ブログ
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十分暗くなれば 人は 星を見る
2022年12月18日|院長ブログ
人類を月に送る計画で、無人のロケットが地球に戻ってきたニュースをやっていました。
日本の探査機も(失敗しましたが)月に送ろうという計画があったり、宇宙に関するニュースが多いですね。
一年前には実業家の前澤友作さんが、国際宇宙ステーションに滞在し動画配信したこともあり、宇宙への関心は年々高まってます。一般の人が宇宙にいけそうなのも楽しいし、月に水があるのか、人間が住めるようになるのか、なんてわくわくします。
「宇宙船に乗ってみたいですか」と、私が好奇心が強いのを知っている知人に聞かれることがあります。興味ありますが、実際のとこ、船内では70dB以上の騒音が常に聞こえているそうで、快適ではなさそうだし、宇宙ステーションの居住空間狭く壁の外は死の空間と思うと、ちょっとやめときたいです。
先日SF映画見ようと思って、2014年に出た「インターステラー」という映画のビデオを買いました。
気候変動で、農作物に疫病が広がってしまい、もう人類が住めなくなりそうな地球が舞台です。その地球を救うために、地球と似た環境の星を探る、というあらすじ。父と娘の気持ちのやり取りや葛藤も、人情くすぐりました。宇宙船や星の描写もリアルで、時間の速さが変わるという宇宙物理の法則もこの映画で学びました。ただ、この監督の作り方なんでしょうか。ハラハラします。宇宙船に乗ったクルーが一人一人 死んで行ってしまって、宇宙船もどんどん壊れて行って、最後宇宙に一人だけになってしまうのです。
宇宙はきれいだけど「冷た」くて「さびしい」ものだと思いました。この監督の作品で「インセプション」という映画も見たことがあるのですが、(渡辺謙も出ています)見るものをハラハラさせます。
最近日が暮れるのがとても早くて、澄んだ夜空にオリオン座など見ませんか。
19世紀のアメリカの思想家エマーソンは
「十分暗くなれば人は星をみる(When it is dark enough, men see the stars.)」
と言いました。普段明るい時には気が付かなくても、暗くなってくると見えるものがあります。
大切な人を失ったときに見えてくるものは ないでしょうか。
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冬は干しイモ
2022年12月14日|院長ブログ
12月になり「干し芋」が店に出回るようになってきました。
磐田のこの近辺でもサツマイモの収穫があります。
さつまイモをゆでて、スライスしたものを天日で干したものが、干しイモです。
近所でも干し芋の販売で有名なところがあります。私も大好きです。
遠州のからっ風で乾燥させたイモは風味も良好
もっちりやわらかく、食べると噛みごたえがあってほんのり甘い。
さつまイモは繊維質も多いわりに意外とカロリー低いので
ダイエット志向の人にもお勧めです。私も仕事の合間、ちょっと小腹がすいたときにかじっています。
ただしイモを食べた後は、ガスも増える。
あなたは以下のどれかを経験したことありますか?
1.静かな本屋さんで立ち読みをしていて、ブッと音のするオナラをしてしまう。
2.一人で乗ったエレベータ内で、一人だと思って放屁をした、その直後に、若い異性がエレベータに乗り込んでくる。
3.友人の子供を抱っこした時に、音の出るオナラをしてしまった。
「いやー大きな音させるね、この子は」と、
責任を人になすりつけて苦しいいいわけをする。
。。。。。私は全部経験しました。
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骨は強いですか
2022年12月11日|院長ブログ
82歳になった私の母が、背骨を骨折しました。
退院後に実家の母に会いに行ったら、背骨が前に曲がり、よく見かける「腰の曲がったおばあさん」になっていました。
いちおう家の中の移動はできて、自分の身の回りことができていたので、ほっとしました。親の介護が自分の問題として感じられました。
松本伊代という芸能人が、テレビ番組の収録で、ウレタンの敷かれた落とし穴に落ちて、脊椎の圧迫骨折を起こしたことが話題になりました。
「伊代はまだ、16(才)だあから~♪」とうたっていたアイドルの頃の彼女を、私は覚えています。
もう57歳になって、おばあさんの体になってしまったのですね。女性は閉経すると骨量の減少が急に進みます。
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さて、骨は大事な体のパーツですが、女性の場合、生理が関係していることを知っていましたか。
女性ホルモンの働きで骨が強く維持されるのですが、年を取って閉経すると、そこから骨量の減少が始まります。
骨密度が減少して骨がスカスカになる状態を骨粗しょう症といいますが、年齢を重ねれば誰でもリスクはあります。カルシウムやビタミンDなどの栄養もそうですが、運動して骨に刺激を与えることで骨量の低下を遅らせることができます。
20代から40代の女性で、子宮内膜症や子宮筋腫の進行をおさえるために、月経を止めてエストロゲンを抑制する治療をする人もいますが、あまり長期にわたってこの治療を行うと、骨量が低下して骨粗しょう症のリスクがあるので、6カ月を使用の限度としています。
近年、10代の女性でも、骨が弱くなる問題が指摘されるようになりました。それは無月経から来る骨密度の低下です。
運動強度の強いアスリートは、ストレスを受けているので無月経になりやすい。すると骨折を起こしやすくなる、というのです。
さて、冒頭の私の母ですが、頑固なところがあって、リハビリに行こうとしません。
説得するのは骨が折れました。
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ゴミ箱が一杯
2022年12月10日|院長ブログ
お歳暮のシーズンになりました。うちのクリニックでもお取引のある業者さんや、同業者とはお中元とお歳暮を贈るようにしています。
洗剤や、油、お酒、食品など、お歳暮の品目はいろいろありますが、いただくものは食品、それもお菓子が多いです。
クッキーやチョコなど複数の人で分けることができて良いのですが、複数のお歳暮の箱を開けて行こうとすると、外側の包装紙だけで、あっという間にゴミ箱が一杯になりました。
(ごみ捨てる手間も増えるし、ムダだなあ)
お歳暮たくさんいただきました
贈り物に使うお菓子は、包装の見栄えが豪華で大きく見えるものが多いですが、逆に言うと、過剰包装のわりに中身は大したことないのが多い(バレンタインのチョコもそうです)。
エコエコ言っているワリには、こういう文化はなくなりませんね。有名な「銀座の千〇屋」のスイーツなんか、箱の中の密度 かなり低いです。
中身よりは外側の見栄えが大事、ということでしょうか。
人間でも、背広を着ていると、ちゃんとした社会人に見られる、という効果はあるのかもしれません。世界的には日本人の勤め人の背広を着ている割合は高いそうです。
クリニックでは私、白衣を着ているので 「医者のように見える」のかもしれませんが、スーパーに買い物に行って、知ってる人にはよくスルーされます。挨拶しようと思って目を合わせようとするのですが、「どっかの中年男性」と思われるらしい。
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センチュウ(線虫)
2022年12月8日|院長ブログ
おしっこの匂いでガンがわかる!?
微生物である線虫(センチュウ)はガン患者の匂いをかぎ分けることができて、健康な人の尿の匂いには寄っていくが、ガンの患者の尿からは逃げるそうです。その性質を利用して、最近健康診断に使われることになったとかニュースがありました。
無料イラスト、今やこんなのまで見つかりました!
線虫は体長が1㎜に満たない生き物ですが、その一種のC.elegansは嗅覚受容体が犬の1.2倍もあります。これをガンの診断に使われる血液中の物質「腫瘍マーカー」と比較しても、見劣りしない感度が報告されています。
線虫の飼育が簡単で低コストのため、健康診断などでのがんの診断に実用化が近いと言われています。
線虫は遺伝情報が簡単で、多細胞生物では世界で初めて1998年にDNAが解読された生き物です。このため遺伝子の研究などもやりやすい。
長寿遺伝子と呼ばれるサーチュイン遺伝子も線虫が持っていることが知られていて、おなかを減らした(飢餓)状態にすることで寿命が延びるのではないかとここ10年くらい論争が続いています。
「長生きするには腹八分」という昔からの言い伝えがありますが、これを立証するエビデンスではないかと言われています。
いろいろと新しい知見をもたらしてくれる線虫ですが、人体にはやっかいもの。
1980年頃までは日本もフィラリア症(別名「象皮病」)がみられていました。西郷さんのキンタマは腫れていた、という史実があります。当時鹿児島や奄美に蔓延していて下半身のリンパ浮腫を引き起こすフィラリア症にかかっていた可能性があります。これも線虫の寄生によるものです。
線虫について私が一番線虫のことを思い出すのは、朝ごはんの時。
おかずの釜揚げシラスをみると、線虫に見えてしまいます。
動いてないからいいけど。
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リアルの同窓会
2022年12月4日|院長ブログ
「ハナクソどうやって取ったらいいの?」
「髪、切っちゃっていいのかしら?」
「寝てばっかりなんだけど大丈夫?」
コロナで3年近くブランクがありましたが、産後のお母さんの交流会(あんず同窓会と呼んでいます)が再開しました。産後3~4カ月のお母さんを集めて楽しい時間を過ごしました。
すくすく元気に育った赤ちゃんと、そのお母さんに再開できてうれしいです。今コロナで、産後すぐのお母さんはあまり出かける機会もないので、同じ月齢の子のお母さんたちと交流できるのは新鮮なことと思います。
オンラインでの交流とか、これからはメタバースの時代とかいわれていますが、メタバースの赤ちゃんはハナクソで困るでしょうか。メタバースの世界では赤ちゃんの髪が伸びて困るでしょうか。リアルの交流でしか味わえないものが、きっとあります。
勝手に目だけ隠してすみません
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集まりの最後には、お楽しみの商品くじ引きです。子供とお出かけしたり離乳食がそのうち始まる人たちなので、赤ちゃん用のマグ(水筒)やスタイ(よだれかけ)、離乳食用の食器などを景品にしていて、これも結構盛り上がります。
こういう企画を組むのもおもしろいので、続けてみようと思ってます。
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アゴがはずれる
2022年11月30日|院長ブログ
昨年歯科で治療をしてから、鏡で自分のアゴを眺めることが増えました。
もっと小顔に産まれていたら、異性にモテただろうに・・・
世は小顔ブーム。 あごが小さくて八頭身のスタイルが好かれます。
ですが医学的には小顔でかならずしもいいことはありません。
現代人はアゴが小さくなりましたが、これは食べる物が やわらかくなって、咀嚼(そしゃく)力(かむ力)が必要なくなってきたために起こってきた変化です。
アゴが小さくなると、以前はちゃんと並んでいた歯の居場所がなくなって歯並びが悪くなる。 また下アゴの骨と上アゴの骨のかみ合わせが悪くなります。
口を開くときに痛みを感じたり、ジャリジャリと音がしたりする 症状を「顎(がく)関節症」といいますが、これが現代、増えているのです。
「アゴが外れた」という状況はマンガでしか見ないと私は思っていましたが、 私が実際の症例を見たことがあります。
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総合病院に勤めていたとき、私が担当になった29歳の患者がいました。
彼女は、目がぱっちりしていて、アゴの線が逆三角形でいわゆる美形の人。 桐谷美玲に似た感じの人。
運命の神は非情なもので、彼女は卵巣がんと診断されていました。
卵巣がんの初期でしたが長い化学療法(抗がん剤の治療)が必要でした。
抗がん剤を使うとあまり食物ものどを通らない期間があり 彼女も食欲がおちてしまい、チョコレートとか果物程度しか喉を通らない日が何日か続いていました。
そんなある夜、
「先生、すぐ来てえっー!」 病棟から看護師が主治医の私を呼びました。
緊急事態であると。
彼女のいる病室へ入ってみると、びっくり仰天しました。
彼女はもがいていました。美しい彼女の口が大きく開いたままもがいていました。
「ハガ、ハガ、ヘンヘーハンホハヒヘ(先生なんとかしてえ)」 彼女は目から涙を流し、私に目くばせで助けを求め、手足をばたばたさせている。
アゴが、はずれたらしい。
医学部の学生時代、口腔外科で教えてもらったあのワザを必死に思い出しました。「アゴが外れたときの整復の仕方」です。
彼女の開いた口に私の両手親指を 突っ込み両手をガバっと掛けると、力をこめて下に引っ張りました。
カポッという感じで下アゴが上アゴの関節の穴にはまり、 次の瞬間には何事もなかったかのようにアゴは治りました。
「ああよかったねえ」とは言ってみたものの、
見てはいけないものを見てしまった感じでした。
彼女はその後卵巣がんの治療効果もよく、退院していきましたが、 今思うに、長期に食事が取れなかったのでアゴが弱くなっていたようです。
テレビでアゴの線のきゅっとしまった新人タレントを見るたび、 (この人は矯正歯科にお世話になってるんだろうな)と思ってしまいま
す。
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幸せのホルモン
2022年11月27日|院長ブログ
オキシトシンというホルモンは、お産の現場ではよく使われる薬の一つですが、じつはいろいろな働きがあることが、ここ20年くらいでわかってきました。
100年以上前に発見され、子宮の収縮作用があることから、分娩の誘発に使われてきましたが、それ以外に「他者への信頼感が増加する」「人と関わりたいという好奇心が強まる」「不安や恐怖が減少しストレスが緩和される」という働きがあることはよく知られているところです。母親が子供を育てる要素に関連しているようです。
オキシトシンは女性だけでなく男性の体内でも貴重な働きがあります。男性も赤ちゃんに触れたりすることで、体内のオキシトシンのレベルが上がって、「やさしく」なります。
本日、専門医向けのセミナーで聞いた話ではオキシトシンは「肥満を抑制する」「骨そしょう症を予防する」「筋肉量を維持する」「寿命を延ばす」効果もあるそうです。
自閉症の一部ではオキシトシンを投与して改善した報告もあります。
薬剤のオキシトシンを内服できるような薬を作ると、認可までとても時間がかかる。演者は普段の生活の中で体内のオキシトシンレベルを増加させる方法がないかと探してみると、エビデンスのある方法が、見つかったそうです。
1:マッサージを受ける。
痛いときに体をさすってもらうと、心が安らいで、痛みが軽くなった経験をした人もいるかもしれません。人の手で体を「さする」ことでさすられた人の体内のオキシトシンレベルが上昇するそうです。マッサージを施す人も少しオキシトシンレベルが上昇するそうです。
幸せになるためには、お互いの体を触れ合うことも大事で、コロナの流行で、SNSでしか意思疎通しなくなった私たちに、「肌のふれあい」は最も欠けているものではないでしょうか。
2:オキシトシンを上昇させる漢方薬がある
加味帰脾湯(かみきひとう)と呼ばれる、不眠症などで使われる漢方には不安を取り除きストレスを和らげる効果があり、オキシトシンを上昇させる働きがあるそうです。
3:ペットと見つめあう
飼っている犬や猫とじっと見つめあうだけで、体内のオキシトシン濃度が上昇するというエビデンスがサイエンスという雑誌に掲載されました。ペットを飼うと心が癒されるのは、オキシトシンがかかわっていることが明らかになりました。
ペットは心を癒します。
自分も日々、飼っている犬と見つめあう時間があるのですが、知らない間に日々のストレスが軽減されていたのですね。
犬と見つめあっている私
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ヘモ
2022年11月23日|院長ブログ
寒くなって痔が痛いという人も多い季節です。
痔(じ)も妊娠中のお悩みの一つです。
正確には痔核といって、医療関係者の間では Hemorroidの頭を取って「ヘモ」と呼ばれます。
「ぢ」と大きな文字を宣伝に出していたのはヒサヤ大黒堂 でしたが、ひらがなの中で一文字でこれほどインパクトのある文字は他にないでしょう。
お産をする人の中でかなりの人が痔に悩んでいます。
本によれば、男女を問わず30代以上の成人の約70%は痔になったことがあるそうです。
妊娠のほかに便秘で長時間腹圧がかかる状態も痔を悪化させます。
長時間の座り作業も骨盤内の循環がうっ血(血の巡りが悪くなること) を起こすのでよくないです。また肝臓の病気や喘息を持っている人も痔が悪化することがある。
痔を悪くしない方法がいくつかあります。
1)便秘を起こさないようにする。
硬い、でかいウンチは× 思い立ったらすぐトイレ。
2)入浴時により血行を促す。
血液循環が良くなると治癒が促進される。結構、結構。
3)長時間の座位、立ち仕事を避け、適度な運動をしましょう
肛門括約筋を収縮、弛緩。骨盤内の血液循環を良くしましょう
4)アルコールや刺激物を摂らないようにする。
辛いカレーは出るときも辛い(つらい)
産科では、産後に骨盤の筋肉を締める骨盤底筋体操という体操を すすめていますが、これが血行を促し、痔には非常にいいです。
妊娠の時には、骨盤が圧迫されて血行が悪くなるので、 とても痔になりやすいのです。
「脱肛」といって肛門からおまんじゅうのように飛び出した痔を目にすることもあり。
ひどいものはお産の後ガーゼで押し戻す(還納)することもあります。
ただ、お産が終わって日数が経つと血行が戻るのか、かなり改善します。
だからすぐに手術を勧めることはあまりないのです。
さて、人は「痔で困ってる」と口に出していうのがはばかられるので、この病気は いろいろな隠語で呼ばれています。
私が聞いた「痔」の別称は・・・
*大地主、地(ぢ)主
年貢を取り立てられて苦しんでいる農民のような呼び方
*オヂサン、オヂサマ、ヂーサマ
長い付き合いで親しみを込められてつけた呼び名
*水戸黄門様
「このモンドコロが目に入らぬかあ」と痔が訴えているようですね。
「見た!コーモン」とか「見ろ!コーモン」とか呼ばれます。
*G-shock
この名前の時計が売れていた頃によく聞きました。
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乳腺炎
2022年11月20日|院長ブログ
タンパク質をより積極的に摂ったほうがいい(私くらいの年代(50代)では)と聞き、牛乳(200ml入り)を買って一日一本飲んでいます。ロングライフミルクと言って、栄養価は普通の牛乳と変わりませんが、常温でも長期間(一か月程度)保存がきくので便利です。
効果は・・・というと、今まで筋トレで大きくしたい筋肉、ではなく、おなか回りの脂肪ばっかり太ってます!
さて最近牛乳が余ってしまいこまったというニュースを耳にしました。コロナ禍で牛乳を消費する機会が減ったのだとか。
乳業会社の人によると、今では搾乳も自動化されて、搾乳の機械に自分で入っていくのだとか。停電などで機械が止まると、乳牛も乳腺炎を起こすそうです。
人間の話で申しわけないのですが、私は産後に乳腺炎のトラブルになる人の診察をすることがあります。
赤ちゃんが母乳を飲む量と母乳の出る量は絶妙にバランスが取れているのですが、母乳の出はじめの時期や赤ちゃんが離乳する時期には、バランスがくずれて乳腺炎が起こりやすくなります。
乳汁が乳腺に溜まってしまい、出方が悪いと、急に38度くらいの熱が出ます。しこりになって痛みます。
牛が乳腺炎で死んだとニュースにありましたが、人間の乳腺炎も化膿したものを放っておけば死に至ることもあります(今の時代、そうなる前に治療が始まってしまい、人が死ぬことほとんどありませんけど)
乳腺のケアは大事ですが、以前は産婦人科で乳がんの検診も行っていました(今では精度の点で、マンモグラフィや乳腺エコーを行う医療機関に紹介することが多い)。
以前触診での乳がん検診をしていて、70代のおばあちゃんに乳がん検診をしていた時の話です。
「わしみたいに70過ぎても乳ガンの心配することあるでしょうかセンセ?」とおばあちゃん。
「年だからといって乳がんにならないとは言えませんよ。定期的に検診受けたほうがいいですよ。どっかの牛乳みたいに、定期検査せんと、ほっといたら問題になること、ありますよ。」
ちょうど、ある乳業会社が賞味期限切れの牛乳を販売して問題になった時期でした。
老人の乳腺はほとんどペッタンで、あるかないかわからない位ですが、それでも私はガンを見逃してはいけないと、肋骨の間に置いた指先に神経を集中させ、指をすべらせていく・・・
突然、そのおばあちゃんが笑い出した。
「もう、わしの乳なんか、もう賞味期限切れでっしゃろ。
ふぉっ、ふぉっ、ふぉっ」