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院長ブログ

バベル そして、September

モロッコで大地震が起こったと聞いて、映画「バベル」を思い出しました。

この映画は2006年、カンヌ映画祭で監督賞を受賞、日本女優の菊池凛子がアカデミー賞にノミネートされるなど、当時海外で話題になった映画です。日本での評判はイマイチだった気がしますが、ブラッド・ピットや、ケイト・ブランシェット、日本人の役所広司が演じている壮大なプロットの映画です。

面白い映画ではないですが、深く心に刺さります

映画の舞台は、モロッコ、アメリカのカリフォルニア、メキシコ、東京。それぞれの場所で、関係のない事件が発生するのですが、実は、最後のほうで、それぞれはつながっていることに、気づかされます。

モロッコのシーンでは、貧しい遊牧民の若者が、生活に嫌気がさして撃ったライフルが、うっかり外国人の観光客に当たってしまう。

東京が舞台のシーンでは、菊地凛子と役所広司は、母を亡くした二人暮らし。高校生の凛子は、耳が聞こえないことで、同世代の友人と遊べず、孤独を感じている。父親の役所広司も、娘と打ち解けられないことで孤独感を感じている。

最後まで見終わって、タイトル「バベル」は、神の手によって、人がお互い違う言葉を話すようにさせられて、理解できなくなってしまった苦しみの意味だと初めて気づきます。

凛子がディスコに遊びに行くシーンでアース・ウィンド・アンド・ファイアの「September」が流れていました。私も大好きな曲なのですが、聴覚障害者が、ディスコでこれを体験するとどんな感じになるか(無音で、踊り狂っている人だけいる世界)がわかって、私は聴覚障碍者の世界に気づかなかったことにショックを受けました。

上映されて10年以上経過していますが、昨今SNSなどで、お互いつながっているようで、逆に孤独感を感じている人々の苦悩が問題になっていますが、すでにこの映画で示唆していたのではないかと、いまさらながらすごい映画だと思いました。

乾燥した砂漠が広がるモロッコの風景も感動的で、単純に、その世界に触れてみたいと思ったものでした。

 

 

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