院長ブログ
ブルーシートの屋根
2019年9月25日|院長ブログ
千葉を襲った台風で、いまだに屋根にブルーシートをかけたままの家々をテレビのニュースで目にします。
ブルーシートと言えば、とりあえず雨をしのぐのに便利なシートですが、私が思い出すのは海外の難民キャンプ。
ブルーシートを雨避けに使ったテントが延々と続く一帯。難民を集めて、ブルーシートを配って、食料配給している所です。
かつて私が学生の頃、ネパールにきたブータン難民を調査したことがあります。
亜熱帯のその地域は森林の緑豊かな地帯なのですが、政治的迫害で住み家を追われ、着の身着のままネパールにたどり着いた人が収容されているキャンプがありました。
私は周辺の人にインタビューしました。近隣の農家の人は
「環境が悪くなるし、困っちゃう」といいつつも、国連の支援金が落ちてくるので出ていけというわけでもありませんでした。
「おれんち、貧しい農家だからさあ・・・」と言っていた農民のおじさんの家の広大な敷地には
鶏、犬、猫、馬、ヤギ、ロバ、牛が飼われていて、とても賑やかで、私には自然に暮らす豊かな農家に見えたものです。
お金はないかもしれないけど、生活が貨幣経済に依存しているわけではないので、そんなこと、どうでもいいことです。
亜熱帯の環境なので感染症に気を付ければ、寒さはあまり問題になりません。
キャンプで問題になったのは、日中、人がする仕事がないこと。
やることがないと、夜の生活も盛んになるのか、小さな難民キャンプでも、結婚式をよく見かけました。
日常ニュースでしか目にしない難民ですが、日本人ももっと外に関心を持っていいと思います。
「子供を預ける保育所が見つからない保育所難民」とか
「オフィスから出て昼ごはんを食べる場所が見つからない昼食難民」が
今の日本では難民と認定されているようですが、平和だよな、と思うのは私だけでしょうか。