このページは、共通のメニューを読み飛ばすことができます。直接本文をご覧になるかたは「このページの情報へ」というリンクをクリックしてください。
サイト共通のメニューへ
このページの情報へ

院長ブログ

  • エピペン

    今年のノーベル生理・医学賞に日本人の坂口氏が受賞しましたね。

    免疫の制御について制御性T細胞があることをあきらかにした、とのこと。

    免疫といえば、病気に対する反応ですが、アレルギーは免疫の過剰反応といわれています。

    病院では患者が入院するとき、薬でアレルギー反応がないか質問があります。

    問診する看護師はそのあたりはちゃんと聞いてくれるので、医師は助かるのですが、

    しかし、念入りに調べるので変わった食べ物のアレルギーまで記載してくれ、驚かされることがあります。

    マツタケでアレルギーが出ると聞いたときには(なんて贅沢な)と思いましたが

    アワビやイクラで出る人もいます。

    変わったところでは、

    「北京ダックを食べたときだけ、ものすごいアレルギーが出たんです」と教えてくれる人がいた。

    鶏肉では大丈夫だが、なぜか北京ダックを食べるときだけアレルギーが出るという。

    自慢げにそういうことを言っていた人もいました。
    シャネルの香水でアレルギーが出るとか、ディオールで出るとかいう人もその後出てきましたが、

    私には一度も嗅いだことも触ったこともなく、アレルギーになりようもない。

    さてアレルギーの最重症型は「アナフィラキシーショック」と呼ばれていて、急激に喉がむくんで呼吸困難になることがあります。

    最近では「エピペン」といって、アレルギーが発症したときに、すぐにうてるようになっているキットが市販されています。アドレナリンです。

    子供が食物アレルギーで緊急に治療が必要なとき、簡単に注射できるキットがあります。

    一時「小学校の先生でも使えるように」と普及活動されていましたが、あまり使われているという話は聞きません。

    エピペンは、多少いい加減に注射しても有効で、危害がないように、アドレナリンの量は少ないのですが、やはり、「劇薬」です。医者や看護師でも、注射する量が「本当にこれでいいのかな」とためらってしまいます。ましてや小学校の先生のように「針を人の体に刺す」行為自体、やったことない人には、怖くてできない。

    また食物アレルギーも、大半はのどのかゆみとか、じんましんなどの軽い症状で終わることが多く、あまりエピペンの出番はないのかもしれません。

    エピペンで刺すのがこわい、ところから、自分も小学校のころ、自分で緊急処置を迫られた事件の記憶を思い出しました。

    自宅でニワトリを飼っていて、ある日、蛇が忍び込んできて、ニワトリを餌食にしようと、ニワトリに巻き付いて襲っているところに遭遇しました。

    一羽だけで飼っていたペットのニワトリだったのですが、殺されるかもしれない、と思い、近くにあった金属の棒でたたいて追い払いました。

    追い払い際に、ヘビが私の腕を噛んだ!

    えっ! これ毒壁! かまれたら早く吸い出さないと、毒が回って死んでしまう!

    ヘビには一瞬噛まれただけですが、テレビでやっていたように、早く皮膚を切って毒を吸い出さないと!

    台所の包丁を持ってきて、自分の腕を切ろうか、さんざん悩みました。

    死んだらどうしよう!と不安になって、おろおろしているころに、母親が仕事から自宅に帰ってきました。

    「そんなこと、やめときなさい!」

    ヘビの特徴を話したら、毒のある種類ではないらしい。その後私の腕は、噛んだ痕もすぐに目立たなくなり、大したことはありませんでした。

    (皮膚切って毒を吸い出さないと死んでしまう!)とおろおろしていた自分が、笑えました。

     

     

  • 休日は 犬に遊んでもらう

    このところ曇り空でうっとうしいですね。

    こないだの休日の午後には晴れ間が見えたので、気分転換に犬を連れて天竜川の河原に遊びに行きました。

    私の仕事柄、夜間・深夜に帰宅することがあるのですが、たまに私を不審者と間違えて、犬が私を吠えることがあります。

    雨で長靴だったり、傘をさして、家の前でもぞもぞしていると、不審者と思うようです。

    私は、犬に仲良くなってもらいたいと思い、今回「犬のかぶり物」を持ってきて、犬と遊ぶことにしました。

    犬と友達になりたい一心で購入しました

    仕事の鉄則。高齢者と話をするときは、高齢者のペースで。

    子供と話すときは、子供目線で。

    犬とコミュニケーションをとる時は犬の目線で。

    私(うーわんわん、ボクと遊んでよう!ハフッ ハフッ) (しっぽを振っているつもり)

     

     

    犬の目線で挨拶すると、犬は一瞬ビビリ、

    犬(こいつ何者?)

    しばらくマスクの臭いを嗅いだり、ちょっとなめたりしていましたが、その後、すぐに関心をなくしてしまい、

    犬(こんなやつの相手するの、疲れるわ

    私を放っておいて、他の場所に遊びに走って行ってしまいました。

    私は四つんばいで追いかけようとしましたが、犬のスピードにはとうてい、追いつけませんでした。

    「犬と仲良くなろう」作戦は失敗でした。

    これから、犬と走れるように、四つんばいで走る方法を身につけようと思います。

     

     

  • おなかの中の赤ちゃんの姿

    「どういう恰好なんですか?」

    産婦人科で妊婦さんのエコー検査をしていて、よく聞かれる質問です。

    毎日エコーをしていると、頭、背中 足がどの位置にあるのか、私にはだいたい見当がつくようになります。

    でも、簡潔に言葉で表現するのは難しいもの。「上向き」と言っても、どちらが「上」なの?となります。

    実際の赤ちゃんがどうなのか、身をもって私のポーズで示します。「子宮の中の赤ちゃん」です

    ひきこもりではない

    子宮の中にいるのは「ツボに隠れている」イメージです。

    子宮内にいるイメージ

     

    「赤ちゃんて窮屈じゃないですか?」と質問いただきますが、私はそうは思いません。だって「広い」場所にいる経験をしたことがないから、「狭い」ことがわからないでしょ。

    20週代中期によくみられるポーズですが、私は胎児より体が硬く手足が長いので、表現に限界が

    写真では表現できないのですが、自分のつま先の臭いをかいでいるようなポーズの胎児もよく見ます。「足くっせえ」と言っているように見えますが、私の思っていることを妊婦様に伝えるのは差し控えております。

    指くわえる

    8~9カ月になると、母乳を飲むための口の動きがよく見られるようになります。おっぱいを吸う練習です。

    顔がわかりにくい

    妊娠20週代後半になってくると、手や足が邪魔になって、エコーの3Dモードでは顔が見える状態にするのが難しくなります。こういうことをご存じない妊婦様から「どうして(私が赤ちゃんの)顔見せてくれないんですか」と問い合わせをいただくのですが、体の周りの羊水の割合が減ってくるので、素人目には3Dでわかりにくくなります。赤ちゃんが健康で問題ないか、細心の注意を払って検査しておりますので、顔が見えるか見えないかについてはご容赦ください。

     

    マタに手を当てる

    20週代前半には性器がはっきりしてきて男か女かを判定することもできるようになってきます。「性別教えてください」と言って教えられないことがあります。

    時々あるのですが、自分のマタに手を当ててエコーではわからないようにしている胎児もいます。

     

     

  • 男性の助産師

    男性が多い職場に女性が進出してきているニュース、よく耳にします。

    工事現場、運転手、等々。

    でも、女性の多い職場で、男性がいまだに入ってこない職種があります。

    助産師。

     

    男性の助産師は、日本では、まだいません。(外国(オーストラリア、イギリス)では存在しています)

    産婦人科の医者に男性がいるんだから、助産師も男性がいていいだろう。

    nurse_man2_shock男性の職場に女性が進出しているんだから、女性の職場に男性が入っても・・・

    という意見もあります。実は20年以上前から議論されています。

    保育士のように、男性ばかりだった職場に女性が入っていくことはよく話題になりますが、しかし「助産師」の学校では、男女応募可能とうたっているにもかかわらず、入学試験で男子学生は合格させてもらえないそうです。

    男性の産科医である私から見ても、男性の助産師はちょっと大変かも・・・と思います。

    助産師の仕事はお産だけではなく、授乳の指導でおっぱいの形を見たりマッサージしたりとか、悪露(産後のおりもの)の交換でナプキン見たりとかするので、産婦さんが嫌がるんじゃないか。

    ただ、お産に興味を持つ男性は、一定数いると思います。

    今まで私が他の病院で働いてきた中でも助産師実習をする男子 看護学生を数人見たことがあります(チャレンジャーだなと思いました)。

    夫や、時に子供が立ち会って臨む「立ち合い出産」が増えてきている昨今、お産(分娩)を扱うのは女性助産師だけと規定しているのも、時代が変わると考え方も変わるかもしれません。

    メディアではやたらと「男らしさ」「女らしさ」を」強調したり、トランスジェンダー云々の議論をしています。

    産婦人科医をしている男性の私としては、(お客さんからの希望でいうとデメリットはありますが、)普段の生活の中で私自身がデメリットを感じることは全くありません。

    男とか 女とか、どっちでもいいじゃん。

    という意見は今は受け入れられないのでしょうか。

     

     

  • プロの仕事

    私は医療に関してはプロですが、ものを作ることについてはシロウト(素人)です。

    家具の修理をしてみて、自分がいかにシロウトか思い知らされました。

    当院の病室のベッドの木製の部分が、長年使っていて、塗装がはげてきたところがあったので、思い立って、私が直すことにしました。

    ベッド柵の一部に固いものがあたってへこんでいる部分もあります。1)パテを塗って2)やすりで表面を磨いて3)木の色と似た色のペイントで色を塗りなおして、4)ニスを塗る、ことで元通りになるのだ、とシロウト考えで始めました。

    表面を磨く機械のことを「サンダー」と呼ぶのだと生まれて初めて知り、中古工具の店に行ったり、日曜大工の動画を見て勉強です。こういうときに動画は役に立ちますね。サンダーの動かし方とかヤスリの目の選び方とか、初めて知ることばかり。

    ものづくりって楽しいです

    ホームセンターで買ったパテを盛ったら、盛りすぎてしまい、ヤスリ(サンダー)をかけたら、でこぼこになったパテ以外のところを削り過ぎ、元あった塗装が必要以上にはげてしまい、似た色と思って買ってきたペイントの色が塗ってみたら全然違う色だったり、ニスが垂れて。塗りあとがかえって目立ってしまったりと、素人目にみてもわかるようなひどい仕上がりになってしまいました。

    健康のこともそうですけど、あるレベル以上はプロにお任せしたほうがいいんじゃないかと感じた今回の補修工事でした。

     

  • 手芸クラブに入っていた

    最近編み物や手芸が人気だとか。

    とくに男性でも手編みをしている人が増えているそうです。

    私も、なにを考えていたのかわからないのですが、小学校6年の課外活動に「料理・手芸クラブ」の活動を選択したことがあります。

    たぶん食べるのが好きという理由で、入ったのが、手芸もやらされることになったのですが、手芸なんて、全然関心もなかったのです。

    同じ学年の子が5人くらいいたと思いますが、全員女子で、男子は私一人でした。

    「毛糸を編んで、何か好きなものを作ってみて」と家庭科の得意な先生に言われて、簡単な編み物、ということでマフラーを編むことに決めました。

    編み物の経験のある周りの女の子は、器用に編み針を使って、コースターやワッペンのようなものを作っていきます。

    編み針って、網目を均等に、きれいに編んでいくのって、結構大変です。

    ちょっと編んで、飽きてしまって、お休み・・ちょっと編んで お休み・・・

    ということで、他の子が作品が出来上がる頃になっても、自分のマフラーは、七夕の短冊程度の大きさにしかできていませんでした。

    クラブの家庭科の先生が、「遅いから手伝ってあげる」と言って、一人教室に残った私の作品作りを手伝ってくれたのですが、

    最終的にできた作品は、どう見てもマフラーというより「腹巻」でした。

    (ああ自分て 不器用なんだな)というネガティブな感情が植え付けられてしまいましたが、

    大人になって、医者になってからは不器用と言われることなく、手術とかそれなりにできていたので、やはり

    「好きこそ、ものの上手なれ」

    で、好きなことをやっていれば技術もそれなりに向上してくるんじゃないかと今になって思います。

     

     

  • さい帯血とは

    再生医療で今までなおらなかった病気が治るようになった等いろいろニュースがありますが、さい帯を使った再生医療も再び注目を浴びています。

    さい帯って何だかわかりますか? 「へその緒」つまり生まれるときに赤ちゃんのおへそにつながっている血管のことです。医学用語で「臍帯」です。

    さい帯から幹細胞を取る試みは今に始まったことではなく、20年くらい前にすでに技術が確立されていて、私も臍帯血バンクに提供する血液を採っていたこともあります。

    当時から「子供が白血病になったときのために役立つかもしれない」と言われていましたが、20年経った現在では、自閉症の治療に効果があるのではないかと言われています。

    臍帯血は採取するのは簡単ですが、保存と管理が難しい。 20万円くらいかかります。

    公的な臍帯血バンクもありますが、民間の会社の活動が大きいです。

    。「臍帯血を取りましょう」と積極的なCMを展開していたのは血液製剤のバッグを販売する某医療機器メーカーでした。自分とこの製品が売れるのだから、積極的に宣伝しているはずです。

    白血病にかかる頻度は少ないので、割にあわないと私は思いましたが、そう思わない人もいるでしょう。

    コストの問題が解決でき臍帯血を有効に使うことができれば、いいものだと思います。

    妊婦健診のときに、妊婦さんの超音波検査をしていて、赤ちゃんの顔が3Dで見えると楽しいですね。エコー検査をする側の立場として、顔の輪郭を出すのに邪魔しているのが「へその緒」です。

    へその緒は 胎盤と赤ちゃんの間に連続してつながっている「命綱」のようなものです。

    3Dで見ると、ヒモのように見えることもあり、胎児の輪郭をさえぎって、ぼんやりとしか見えない時もあります。

    元気な赤ちゃんは、体の周りに臍帯が巻き付くことがありますが、通常なにもありません。赤ちゃんの首に巻き付いていることも5人に一人くらいはあります。「巻き付いている」というと首を絞められていると誤解する人がいるので、あまり余計なことは言わないようにしています。

     

    さて、臍帯を触ったこと、ありますか?

    釜揚げうどんのように白っぽくてツルツルしています。子宮の中で赤ちゃんの圧迫を受けるので、つぶれないようにコラーゲンの繊維がたっぷり入っています。

    釜揚げうどんを食べる時、ちょっと臍帯のことを思い出します。

    臍帯は断面がカエルの顔みたい

  • コトバの壁

    先日夜間の緊急手術があり、外国出身で日本語の通じない人に手術をしました。

    説明と同意が大変でした。

    手遅れになるぞ~

    こちらから無理やり拝み倒して、手術をさせてもらった感があります。

    それでも、ちょっと役に立ったのは「google 翻訳」。近年だんだん精度が上がってきているようです。この患者さん、普段は通訳の人が介在していないと、会話が成立しないのですが、

    今回の緊急手術では「気合い」と「google翻訳」で、手遅れになる前に手術が開始できました。

    スマホから翻訳された発音も聞けるのですが、緊急時にそぐわない、のんびりした音声で、ちょっとイラっとさせられました。まあいいけど。

    外国人でコミュニケーションが大変だったこと、数多くありますが、思い出深いものの一つは、私が研修医の頃出会ったロシア人の患者です。

    神戸港の近くにある救急病院でしたが、ある晩「血を吐いた」というロシア人の船員が来ました。

    付き添いの人の片言の英語の説明からすると、胃潰瘍で出血のよう。本人は日本語全くわかりません

    診断のためには直腸診(肛門から指を入れる検査)をして便潜血の有無をみる。

    コトバの通じない人に直腸診!

    さて、困った。

    「ズボンとパンツを脱いでください。」

    「ベッドに横たわり、膝をかかえるようにして丸くなってください」

    「私が指を入れますから肛門の括約筋をゆるめてください」

    これだけの内容を、コトバのわからないロシア人船員のオジサンに説明するのです。

    私はパントマイムで彼にメッセージを伝えることにしました。

    私は診察の椅子から立ち上がり(白衣を着ていた)、

    ズボンのベルトをゆるめ、ズボンとパンツを脱ぐジェスチャーをした。

    (わかった?)と目くばせすると、ロシア人はウンウンとうなずいてくれた。

    ピンポーン!

    そばのベッドに自分が横たわって、膝を丸くするジェスチャー。

    ピンポーン!

    横で看護師がクスクス笑っていましたが、そんなことには構っていられません。

    最後は難関だった。

    「肛門に指を入れます」のジェスチャー。

    こういう非常事態では気合でなんとか通じるもので、私が執拗に人差し指を立てて「カンチョー!」のポーズをすると、最後にはこっくりうなずいてくれた。

    結果は陽性。胃潰瘍からの出血が確認され、ロシア人患者は入院して胃潰瘍の治療をうけることになったのでした。

    スマホの翻訳アプリ、今後の活躍が期待されます。

     

  • 貧血の記録更新

    先日、世界陸上の大会が東京で開かれましたね。選手を応援した人も多いと思います。

    さて、記録に挑戦しているわけではないのに、

    たびたび「新記録」が出て

    私をびっくりさせるものがあります。

    それは貧血

    女性には貧血が多いですが、

    子宮筋腫などの病気で月経の量が増えると貧血になりやすい。鉄分不足も関係することがあります。

    貧血の度合いもさまざまですが、中には、よくここまで耐えたな、と思えるくらい低いヘモグロビン値の人がいます。

    正常の女性ではこのヘモグロビンの値が12~15g/dl。

    妊娠すると「相対的な」貧血になり 10 程度

    生理の時だけ出血が多く、長年かけて体が慣れていくと

    ヘモグロビンが 8 程度の貧血があっても普通に生活している人は多いです。

    ただ、皮膚が黄色くみえて、素人目からも明らかな貧血とわかるようになります。

    子宮筋腫などの方に多いです。

    ヘモグロビンの値が低い状態になると、心臓に負担がかかってくるので、心臓が大きくなる。足がむくんでくる。

    病院に行くのがイヤで、ガマンにガマンを重ねた挙げ句、意識を失って倒れて救急車で運ばれてくる人も時々いました。

    私が医者になって駆け出しの頃

    血の濃さをはかるとヘモグロビンの値が 5 という患者がいて、あまり病院に来てくれない人でした。

     なんで病院に来ないのか聞いたのですが。

    毎回出血は多いのですが、病院がキライなので行かなかったそうです。

    その数年後にヘモグロビン 3.5 で外来に歩いてきた人がいて、私は驚き、

    10年ほど前、ヘモグロビン値 2.3 という人がいました。

    全身皮膚の色はまっ黄色。

    他の病院で子宮筋腫と診断されたという彼女は、なんと自分の足で歩いて病院にやってきました。

    歩いているなんて「奇跡の人」と思われました。普通なら体を動かしただけで心臓バクバクです。

    入院するのはイヤだと言っていました。

    「どこ(の病院)に行ってもすぐ入院をしろと言われたんですけど・・・」

    当然です。こんな人は首根っこをとっつかまえても入院させなければいけません。

    「でも入院できないんで・・・」

    面倒を見ている子供がいると。

    とりあえず、これ以上出血が起こらないような薬剤の注射をした後で

    、来週必ず入院してくださいよ、と言って返しました。

    しかし。 その後入院の日になっても彼女は現れませんでした。

    どこかで倒れたかもしれない。 

    どうなったか知りません。GUM06_SY01095

     

    何年か経って別の病院にいたころ・・・

    自宅で動けなくなって救急車で私の病院に運ばれてきた別の患者さんのヘモグロビン値は

     1.7 でした。

    生きている顔ではありませんでした(もう、どうにでもして、というあきらめ顔でした)これくらいの貧血ではおそらく動くことはできません。

    しかし治療で改善しました。

    これ以下の値を私はまだ目にしていませんが、

    冗談まじりに話ができるのは、重症貧血でも治療で劇的に改善するからです。

    病院で、輸血、鉄剤投与により、貧血を治せば、皆さん

    「嘘みたい」に自覚症状が改善します。

    元気に歩いて退院されます。

    医者をやっていると、年々記録が更新されていくのでビックリします。

  • 敬老の日

     

    9月第3月曜は「敬老の日」

     

    最初は「年寄りの日」といわれていたそうで、年寄りなんて呼び方はよくないと1964年に今の名前になったそうです。

    私の産婦人科にも老若男女やってきます。お産だけでなく、年配の女性も更年期や子宮脱、膣炎などで来ます。

    産婦人科に一番来ないのが高齢の男性・・・

    のはずでしたが、開院間もない秋のある日、80代くらいの高齢のおじいさんがふらっと入ってきて、黙って、ちょこんと待合室の椅子に座っていました。

    「あの人 誰?」

    スタッフの間で騒然となりました。

    自分も診察室に入って来たら、なんて言おう?

    と思いましたが、そのうちフラフラと自分で出ていきました。

    後で聞くと、認知症で徘徊(はいかい)していた近所のジイさんだったそうです。クリニックに迷い込んだようです。

    さて、最近のおじいさん、おばあさんは元気なのが多いです。

    磐田のようなイナカでは、爺さん、婆さんでも一人一台クルマを持っている人が多い。

    孫が生まれると、家族みんなお祝いにきますが、夫、夫婦の両親がそれぞれ一台ずつクルマに乗ってお祝いに来ることがあります。

    ひどいと一人のお産で4、5台分の駐車区画が埋まります。他の患者から「クルマ停められない」と苦情が出ることもあり、これは開業の時の想定外でした。

    皆さんスマホいじっていたり、ユニクロのシャツを着ていたりして、若々しい。

    子供も産んでくれればいいのに。

  • 診療予約
  • 採用情報
  • ブログ
アクセスマップ

〒438-0002
静岡県磐田市大久保896-39

診療時間

9:00~12:00 14:30~17:30

水・土は午前のみ/日・祝は休診

アクセスマップ
ページの先頭へ
トップに
戻る