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院長ブログ

漢方薬をよく出す診療科

そういえば最近 カゼひかないな・・・

コロナ感染が流行っているこの2年くらい自分は風邪をひいてないことに気づきました。

普段からの手洗いや換気に(今まで以上に)気をつけるようになったからかもしれません。

風邪もウイルス感染症の一つなので、コロナに気を付ければ インフルや一般の風邪も予防できます。

さて、風邪をひくと市販の風邪薬を買ってのむ人が多いと思いますが、医師は風邪をひくと、市販の風邪薬ではなく漢方薬をのむ医師が実は多いです。

葛根湯は、風邪をひいたときによく使われる漢方薬です。

外科とか内科など診療科によって漢方薬をよく使う科とそうでない科があるのはご存じでしょうか。産婦人科は漢方薬を処方する頻度では一番多い科の一つです。

逆に整形外科とか眼科、生活習慣病をみる内科(循環器科等)は漢方薬をあまり処方しません。

漢方薬なんてクスリじゃないよ」 と言っている医師もいます。

たしかに抗生物質や鎮痛剤 高血圧糖尿病などの薬は西洋薬にかないませんが、それ以外の領域ではよく効くものがあります。

婦人科では生理関係の体の不調、更年期症状、または自律神経の異常によく処方され、副作用も少ない。

葛根湯ばかり出す医者を「葛根湯医者」と落語のネタにされるくらい、葛根湯(1番)は何にでも使えますが、産婦人科医なら10種類以上は漢方薬のレパートリーがあります。

ただ処方する医者にとって時に面倒なのは「漢方を処方した時の保険病名」です。漢方薬には、効能が認められる病名がなければ保険診療(3割の患者負担)で使えません。

例えば 生理の量が多い過多月経や子宮からの不正出血。痔の出血で使われる「芎帰膠艾湯(きゅうききょうがいとう)(77番)」という漢方が効くのですが、過多月経には効能があるとされてないので患者のカルテには病名を「痔の出血」とつけなければ保険の審査が通りません。

痔ではない美しいご婦人を何人も「痔の持ち主」にしてしまったことに対して、良心の呵責を感じます。

婦人科でよく使う「加味逍遙散(かみしょうようさん)(24番)」の効能に「血の道症(ちのみちしょう)」という病名があります。私自身産婦人科の専門医になって、30年近く、現場で「血の道症」という病名を使ったことがありませんでした。(こんな非科学的な病名、使っていいんですか?)

「血の道」って何? 漢方薬の会社の人に聞いたところ、「女性の月経にともなう諸症状」という理解で差し支えないようでした。私が医者になる前の上の世代の漢方医がそのような病名を使っていたようです。現在よく話題にのぼる「月経前症候群(PMS)」や「更年期障害」(の一部)がこれに近いかと思われます。産後のマタニティブルーも「血の道症」らしい。女性特有の精神の変調 ということでしょうか。

血の道症の診断基準は産婦人科専門医の私も知りません。しかし加味逍遙散は更年期障害の気分の落ち込みによく効くので処方量が増えています。

私は(こんな、変な病名つけても保険審査に通してくれるのか)と思いながら「血の道症」の病名を付けて、保険申請することがあります。

返戻(カルテの審査で保険診療が認められず、請求元に突き返されること)はまだ、ありません。

 

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