院長ブログ
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猛獣(もうじゅう)との戦い
2024年1月9日|院長ブログ
フーッ!
そいつは、牙をむいて、私にとびかかってきた。
敵意むき出しのネコは、「捕まったら、かみ殺してやる!」と言いたげに私をにらみ、爪や歯をたてて私の力に抗った。
私は着ているフリースを脱いで、両手で持つと、中にネコを追い込み、首根っこをつかんだ。
(もう逃がさへんで) (こういう時には関西弁が出る)
私もネコに手をひっかかれ、かなりの傷を負ったが、ネコもネコで(おまえ一生呪ってやる)という形相で目をむいてキバをむき出し、私をにらみつけている。
*
「院長 ウンコがおちてます!」
不審な報告があったのは、この事件の前日。朝いちばんに、師長が私に伝えた。
玄関の自動ドアを入った中の、玄関マットの上に、動物のフンが落ちていた。
開業以来こんなのは初めてで、見舞客のペットがフンさせたのか、いやがらせをしたのか、それとも動物がわざわざ入ってきて、フンして、出て行ったのか???
よくわからないのだが、とりあえず、よく洗ってきれいにしといた。
「院長 ネコです!」
その翌日だった。師長の報告によると、玄関スペース入ったところの、階段の裏側にネコがひそんでいるという。
ネコを捕まえるなら、オレにまかせろ、という(他には女性スタッフばかりなので、私がなんとかしないといけない)気持ちで自販機裏の物置スペースに入っていくと、すみっこの方に、ネコの背中がちょっとみえている。
首根っこを捕まえてやろう、として手を伸ばした瞬間・・・
ダーッ
と飛び出してきて、私の横をすり抜け、ネコの逃げ場のない閉鎖された玄関スペースで、必死の逃亡劇を始めた。
逃げ場がないと知るや、捕まえようとする私の手を思い切りひっかいた。
私もアドレナリン全開!
ちょっとくらいひっかかれても痛くない!
他のスタッフの助けも得て、なんとかネコを捕獲、段ボール箱に入れ、明かり取れる程度の数センチのスペースを開け、
ガムテープでしっかりフタをした。
ネコはどうも、自動ドアのセンサーが反応して、開いてしまったところを、うっかり入ってしまったらしい。
前日のウンコはネコのウンコだろう、察するに、猫は丸一日以上、何も食べてない(植木鉢の水はのんだかもしれない)。
出るチャンスを失ってじっと物置の奥にひそんでいたにちがいない。
*
診察の仕事が終わって、近所のお店でネコの話をしたら、近所で複数のネコ飼っているウチがある、とのこと。
箱をどっかで開けて、遠くに放流しようと思っていましたが、飼い主がいるかもしれないと思いなおし、
ネコの入っている段ボール箱を持って、そのお宅へ向かいました。
お宅に近づいてきたとき、静かだった中の猫が突如、ガタガタと音と立て、
なんと数センチのスペースから、ガムテープを破って、無理やり脱出!
段ボールからびっくり箱みたいに、ぴょーん、と飛び出して脱走、いなくなってしまいました。
破ったガムテープには、ネコの毛がびっしりついていた。 ハゲになったに違いない。
「ネコひっかき病」というのがありますが、これは傷にBartnella henselaeという菌の感染で起こります。
そういう事は知っていますが、ひっかかれた手の傷は、水道の水でよく洗って、ゲンタシン軟膏ぬって、あとは何もしてません。
私もケガをしたが、ネコもネコで必死だったんだろう。
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年賀状
2024年1月8日|院長ブログ
正月も終わって、年賀状を整理する時が来ました。
あなたは年賀状のやり取り、してますか?
SNSやメールでつながる現在、郵便代の値上げも拍車をかけ、年賀状の数は減っているそうですが、
年に一回、年賀状のやり取りだけで続いている人、私の場合20人くらいはいます。
お気に入りのイラストや、写真など、活字以外の何かを伝えられるのは良い。
ヘタな字も、それはそれで自分らしくて良い(と思ってます)。
最近は肉筆で手紙を書くことも見直されているとか。しかしキレイに書こうと思っても、書けない体になってしまっている のに気づきました。
長年の医者稼業で、人の話を聞きながら書いたり
「鬱」、「掻痒」とか医学用語が満載の証明書の記入を
やっつけ仕事で終わらせることばかりしていた結果
字がどうしてもきれいに書けなくなりました。
わざとヘタに書いたほうが個性がでていて、いいじゃん。とも思います。
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県内でいちばん人がいない場所
2024年1月7日|院長ブログ
趣味で乗っているバイクを買い換えました。
ネットで探し当てたバイクが静岡市のバイク店で売られていたので、休日を利用して、静岡から磐田市まで買ったバイクを移動させました。
ついでにツーリングを楽しもうと、静岡市から浜松まで山の中を通っている国道を通りました。
362号線という「国道」です。 国道とはいっても、見通しが悪く、30㎞以下でないと対向車と衝突しそうなカーブの繰り返し、幅が狭く普通乗用車がやっと通過できる程度しかない場所があったり、片側ガケで、道路面が谷底に向かって傾いていたり、枯れ葉が積もって、タイヤがずるずる滑りそうなところありと、国道ではなく「酷道」と呼んだほうが適切な道路でした。
この日、朝から風が強く、バイクに乗ると当然寒いです。
山の中に行けば風がなくなるので寒さを感じなくなると期待していましたが、山の中でも風がビュービュー吹いており、寒かった。
* 標高700mくらいの峠を越えたので、さらに寒かったです。
*
写真をとった峠あたりでは、対向車もほとんどなく、人の気配がしませんでした。 寒かったですが、静岡県内の(クルマで行ける場所で)一番人口密度が少ない場所に来た、という自己満足というか、変な達成感を味わって、帰ってきました。
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昭和のゲーム
2024年1月3日|院長ブログ
2024年年明けから 地震や飛行機事故、暗いニュースが続きましたがいかがおすごしでしょうか。
私は例年になく実家で親戚と過ごす時間が長く楽しい正月でした。
子供たちがいて、実家にしまってあった、古いゲームを取り出してきてました。
「任天堂のファミコン」。故障しかかっているのか、テレビにつなぐと、最初、わけのわからない画像パターンが数分続きます。機械が温まると調子が良くなってくるのか、スイッチ入れて5分くらいすると、マリオのキャラクターがわかる程度の画像になります。ボケボケのマリオですが、子供らはよろこんでマリオカートで競ってました。
「ハムレット」も出てきました。これも1970年代には大ヒットしたゲームで、4目ならべですが、始めてみると結構はまりました。私は子供に逆転負けしてしまいました。
今と違って、昭和の時代には、正月に集まってわいわい遊べるボードゲームとか沢山ありましたね。
モノポリーもしまってあって、やると私はいつも破産して負けます。
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スクイッシュマロ
2023年12月31日|院長ブログ
一昨年からイギリスやアメリカで大流行しているぬいぐるみがあるというので、取り寄せてみました。
スクイッシュマロ(squishmallows)といって、マシュマロみたいにふわふわしたぬいぐるみで、昔流行った「キャベツ畑人形」みたいな感じです。
トイザらスの「クリアランス・セール」で安いかわりに、在庫処分で、何が送られてくるかわからない、というものをオーダーしたところ、届いたのは
40㎝くらいの赤いぬいぐるみで、頭の上にラーメンと唐辛子と箸が乗っています。何のキャラか調べてみると「spicy ramen」だそうです
「ラーメン」て、知らない間に世界の共通語になっていたんですね。
年越しそばには、ラーメン食べようかなあ・・・
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腕が上に上がるのは若い証拠
2023年12月27日|院長ブログ
胎児のエコーを見ていると、おなかの中の赤ちゃんは方から上(頭側)に腕がいっていることが多いのに気づきます。
オトナとちがって、肩の関節がやわらかいんだろうな、と思います。
生まれたばかりの赤ちゃんをみると、膝を曲げて足はM字、両腕は頭の横にあるのが普通です。
大人になると、肩から上に腕をあげる姿勢をしなくなってきます。
中年になると、背中が前にまがって、腕がまっすぐ挙げられなくなる人が多い。
人の年齢を判断する時、背中が曲がっていると、年寄りに見られます。仕事柄、人の歩く姿勢も意識してみますが、背中が曲がっていると、健康状態が悪いことも多い。
腰痛、頭痛 肩こりなどの症状になやんでいる人が多く、背中が曲がっていて、腕が上に上がらないのは不健康と関連します。
自分も医者として普段、前かがみになって、患者の話を聞いていることが多く、肩関節コチコチに固まっています。
赤ちゃんのように肩の関節をやわらかくして、腕上がるようにすれば、少しは若く見えるかもしれない、
腕が上がる → 若返る
そう考えた私は、自宅に懸垂用のバーを買ってきて、ぶら下がることにしました。
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いい本だけど 10年保管しない本
2023年12月24日|院長ブログ
年末になり、本棚の整理をしてみました。
本の読み方も変わり、話題になっていれば、Amazon でぽポチって「とりあえず買って読んでみる」ようになりました。
若いころは、本屋さんで立ち読みして、買うか買わないかじっくり考えてから、買う、というスタイルでしたが、アマゾンで書評をちらっとチェックして、中身と目次をちらっと見て買うようになりました。オトナ買いができる年齢になったのです。
便利な世の中になりましたが、でも、CDや本て、昔と比べて「ありがたみ」が減った感じがしませんか?
話題になって、手に取ってみて、たしかに良い本だ、と感じる本は沢山ありました。でも取っておくと本棚が一杯になってしまうので、この時期まとめて売ることにして、ブックオフに持っていくことにしました。専門書は別に、このブログを読む一般の方にも参考になりそうな本を取り上げてみました。
今回も、漫画(ゆるきゃん、Slum Dunk)や音楽CDを含めて、50㎝四方の箱一杯になるくらいの量をブックオフに持っていったのですが、1400円くらいにしかなりませんでした。
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喜びと悲しみ
2023年12月21日|院長ブログ
喜びと悲しみは時として一度にやってくることがあります。
昔私が県外の病院に勤めていた頃の話ですが、12月のある日、
30代後半の女性が。私の診察室にやってきました。
「生理がない、妊娠したかもしれない」とのことでした。
超音波、尿の検査でたしかに妊娠していました。
「先生、本当に妊娠、ですか?」と信じられない顔をしている彼女。「ええ、確実に妊娠してますよ」と私。
そして、おめでとうございます、と言いかけて問診票を見た時、出かかった言葉を引っ込めました。
彼女にはすでに4人の子供がおり、現在離婚している。
この人が出産を希望していないのは明らか。
(この人は中絶を希望しているんだな)、と思いました。
「先生、間違いなく妊娠ですよね」と念を押す彼女
「ええ、妊娠していることは確実ですよ」
何がそんなに不思議なんだ、と思っていると
「先生、ちょっと待ってください」
と言って彼女は突然、診察室の外へ出て行き
50代くらいの、人生にくたびれた感のある中年男性を引っ張ってきた。
聞けば、この男は現在つきあっているボーイフレンドだという。
(オジサン、オバサンになってもボーイフレンド、ガールフレンドと言うんだなあ)
「先生、本当に妊娠してるんすかあ?」
その中年男はびっくりした様子で私に聞いた。
どうやらこの男が彼女を妊娠させたらしい。
彼女としては、この男に、妊娠した事実を見せて、責任をとってもらおうと思っているらしい。
しかし、この男のオドロキは普通ではなかった。
「せっ先生、それってホントですかあ?」
「どの医者が見ても、同じ事を言うでしょうね、彼女は妊娠されてますよ。」と私
そんなこと信じられない、という感じでした。
「そんなことあるはずない!」
私は淡々と説明しました。
「彼女の生理の日から計算すると、排卵のあった日はカレンダーのこのあたりです。この日前後3日以内にセックスしませんでした?」
生理の周期が規則正しく訪れる人なら、大体の排卵日は予測できる。
「たしかに先生、おっしゃるとおり、その日でしたけど。」
中年男はそれでも信じられない、という風だった。
「でしょう?あなたとの性行為で妊娠した可能性が高いですね。」
「でもねえ、先生」
男は私に打ち明けた。
「わしは若い頃”おたふく風邪”にかかりまして。それ以来、子供ができないって言われてたんです」。
物心ついて30数年、私あっちこっちでいろんな女とセックスしてきましたけど
今まで一度も妊娠したことなかったですよ。避妊しなくても。」
ムンプスMumps(おたふく風邪)にかかると無精子症になると言われている。
正確には精液検査をしないとわからないが、とにかく今回の妊娠は彼が原因であることは明らかでした。
彼と彼女の間で今にもケンカがはじまりそうな、
緊張感のある狭い診察室。
妊娠させられた女性と、私の背後の看護師はあきれた表情で男を見ていました。
でも私は、中年男の表情に少しだけ喜んでいるような表情が見えました。
(自分にも子供を作る能力があったんだ!)
という男としての喜び。
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医療の現場は人間模様のドラマを見ているようです。
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冬場の体重管理は悩ましい
2023年12月17日|院長ブログ
年末が来ると、毎年ユウウツになる。
健診に来る妊婦さんに、イヤなことを言わなければならない。
「あなた、体重増えすぎです!」
年末から年明けにかけては食事の量が増えます。
忘年会などの宴会、クリスマスパーティのケーキ、年越しソバ、正月料理、お餅、おせち料理、カロリー多い食事を上げればきりがない。
体重を増やしてしまう妊婦さんは多いのです。
「あなた体重増えすぎ」と同じ言い方をしていても人によって受け止め方は様々。
敏感な人には、「ちょっと増えたかな」とやんわり伝えるだけでも心配されてしまう一方で、「あなた、このままいくと危険ですよ」とこちらが脅し気味に言っても「コイツ不愉快なことを言っているな」くらいにしか思わない人もいるのです。
適切に受け止めてもらうのが難しい。
本当は冬は体重を落としやすい季節って知っていましたか?
体が産生する熱が増えてカロリー消費が増えるのです。ただし、暖房をいれず衣服も薄着にしている場合に限ります。
さてクリニックでは必要な人には体重管理のための食事日誌を去年からつけてもらうことにしています。
継続的につけることができていれば、体重減少が成功する確率は高いです。しかも制限をする苦労が少ない。
レコーディング・ダイエットと呼ばれる体重コントロールの一つですが、自分で記録して何を食べたか意識することで、食べる量が自然と少なくなるものです。
是非やってみてください。
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体重指導をしている妊婦さんで、こんな人もいました。
「私ダイエットにチャレンジしてます」
という、体型ぽっちゃりの妊婦がいました。
「今までチョコとナッツのかかったドーナツ、大好きだったんですけど、やめました」
「ほお、それはいいですね」
「チョコとナッツはやめてプレーンのドーナツにしたんです」
「・・・・・・・・(たいして変わんないじゃん)」
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今しかできない
2023年12月12日|院長ブログ
最近グレイの色(アッシュと呼ぶらしい)に髪を染めた妊婦さんがいて、「雰囲気変わりましたね」と言ったら「この色今しかできないですから」と言われました。
緑がかったグレイの髪の色はどうも流行らしく、うちで妊婦健診を受けている妊婦さんの中に3名いました。
そのうち二人が「今しかこの色染められないから」と同じことを言っていました。
私(50代)の年代になると、白髪が増えて髪の色が白っぽくなるなんて、考えられない。髪は黒いままであってほしい、と切望します。
同窓会で、大学や高校の頃の友人と会うと、白髪の人が多数派。私も白髪がありますが、少ない方です。
「今しかできない」と言われて思い出した、女の子のファッションですが、90年代に「顔(ガン)グロ」が流行ったのを、30代半ば以降の人は覚えているでしょうか。
日サロ(日焼けサロン)に行って、真っ黒に日焼けした顔で街を歩いていた女の子たち、当時街に出ている女子高生がこぞって同じような恰好して歩いていました。
医学部に入ってから日焼けほど肌にダメージを与えるものはない、「百害あって一利なし」と教えられて、大人になってからは日焼けなんてなるべくしないように努力しているので、日焼けした肌を自慢して見せるなんて、そんなに恐ろしいことはできません。
自分が「若いころにしかできない」と思ってやったことと言えば、中学生の時の殴り合いのケンカ、20代初めに髪を切ってツルツルの坊主頭になったことです。
坊主頭にして、気が付いたのですが、私体格が大きいので、スーツを着て町を歩いていると「そのスジ」の者と思われたのか、人の多いところで道を開けられることが増えました。