院長ブログ
死刑の失敗と睡眠薬
2026年10月8日|院長ブログ
死刑を執行したが、2回失敗して、生き返った。アメリカでの最近のニュースです。
アメリカでは死刑執行は薬物投与によるもので、女性死刑囚に薬物を静注したが、死亡に至らなかったという話でした。
失敗したことで死刑のやり方とか、そもそも死刑の是非とか、国内国外で盛り上がっています。
薬物はバルビタール系とのこと。
私の推測ですが、おそらく点滴が漏れて、血管内に十分な効果の薬剤が入っていなかったのではないかと思われます。
日本でも今年の前半にあったニュースですが、ある看護師が、点滴の中に患者の便を混ぜて、殺害したという衝撃的なニュースがありました。
便を点滴に混ぜて患者の体内に入れるのは、(実はかなり難しいのですが、)素人でも考え付くことで、もっと簡単な方法はいくらでもあります。
(これ以上は、ここでは言いません)。
おそらく死刑執行人が「決められた薬剤以外はいれるな」と言われていたのでしょうか。
さて

バルビタール(バルビツール)系薬剤は、歴史はかなり古く1903年から発売されています。
昭和初期に作家 芥川龍之介が自殺しようとしてのんだのも、このバルビタール系の睡眠薬です。
たくさんのむと呼吸が停止して死ぬこともあり、1960年代からは、「ベンゾジアゼピン系」と呼ばれる薬が普及しました。
この薬は沢山のんでも呼吸停止を起こしにくく、安全な薬とされ、90年代までは第一選択として使われる薬になりました。
安全ではありますが、長く使っていると依存性が出てきたり、急に薬を減らすとリバウンドで不眠が再発することがあります。
最近、さらに安全な薬剤が出てメラトニン受容体作動薬・オレキシン受容体拮抗薬と呼ばれるものが出てきました。
オレキシン受容体を発見した日本の科学者柳沢正史氏は先日ラスカー賞を受賞し、ノーベル賞候補ともいわれています。
最近は「睡眠衛生」という考え方が重視されるようになって、薬物に頼る前に、ちゃんと眠れる環境を整えるとか、認知行動療法的なアプローチが重視されています。
不眠症で大事なことを一つ。
最近の知見の一つで、眠れなくて困っている人に対して、ドクターが助言するアドバイスは
「眠くなるまでベッドに入るな」
です。










