院長ブログ
アートセラピー
2025年4月20日|院長ブログ
スイスのある町が、美術館の入館料を無料にして、患者を治療しようという試みをしているというニュースを読みました。
その地域の医師が発行する処方箋(あるいは診断書)があると、入館料がタダになるのだとか。
世界保健機関(WHO)が「美術は病んだ人の心を癒し、認知機能の低下をおさえ、身体機能の維持に良い作用がある」という発表を根拠にしてはじめた試みだそうです。
たしかに、良い美術品に触れることは、心を癒す効果があり、家から出て、美術館へ歩かせることも、うつ状態の人には良い効果があります。
映画に行くこと、ダンスに行くことも「医師の処方」にしたいと担当者は考えています。
コロナのパンデミックで、人々の活動が制限され、美術品に触れることが、いかに心の安らぎにつながっていたか気づいたことも、きっかけの一つだったそうです。
私のクリニックにも心身の不調を感じる人が日々訪れますが、運動不足だったり、気分転換できていない人も多い。
仕事や家庭以外で、人と会うとか新しいものに触れることも大事と思っています。
さて、アートに触れることも治療になるなら、園芸で自然に触れることも治療になります。
たまたま今日は良い天気で、気温も暖かく、虫も出てこない絶好のコンディションで、ホームセンターに行ったら、今が植え時の、夏野菜の苗(トウモロコシとかトマトやピーマン等)が売られていて、私は気持ちがウキウキしました。

かぶ ドット混んでいたので間引きしました
畑で鍬(クワ)をふるう手にも力が入り、一日の終わりに心地よく疲れました。
ヒヨドリやスズメ、ヒバリの春を告げる鳥の鳴き声を聞きながら、おこした土の新鮮な匂い。芽を出したばかりのみずみずしい草の匂いと手ざわり。
「園芸療法」という治療法が、一部の心の病気の人には効果があることが知られているのですが、うちの患者さん、畑に連れてって、農作業させたら、治療になるんじゃないかなあ、と思いました。