院長ブログ
「〇針縫う」はない
2024年4月28日|院長ブログ
「転倒して5針縫う大けが」とかニュースで聞くことはありませんか。
5針より10針のほうが重症かというと必ずしもそうではないのです。同じ長さの傷でも細かく縫えば結び目の数は多い。例えば5㎝の傷に10回糸をかけてしばっても5回で縫っても結果にはあまり変わりはありません。
私は、開業医の中では「縫う」ことが多い職業です。日常的にお産の人 帝王切開の手術で皮膚を縫います。
劇的な変化ですが、時代とともに皮膚の合わせ方は変わってきました。 昔は皮膚を縫って合わせていました。
30年くらい前からホチキス(ステープラー)が使われるようになり、手術後の抜糸の痛みもなくなり、患者に喜ばれるようになりました。
その後接着剤(アロンアルファみたいな瞬間接着剤で皮膚を合わせるようになりました。ホチキスの針の痕も残らないようになりました。
しかし、それでも接着剤だとたまに傷が合わなかったり、アレルギー反応が出る人もいます。
一番最新の自分のやり方は、埋没縫合といって、皮膚の表面に糸が見えない縫い方をします。
最近では、頭皮の傷などでは、「テープを貼って終わり」が一般的になってきました。泣いて暴れて処置がしにくい子供の頭のケガなどには好評です。
皮膚を縫うというと大変なことをしているとおもうかもしれませんが、皮膚に傷をつけること自体はタトゥーだったりピアスだったり、そんなに大変なことではありません。
妊婦健診をしていると、たまにへそにピアスをしている人がいます。
私はとくに「外してください」とは言いませんが、ピアスのある場所からエコーの検査ができないので、胎児の様子が分かりにくいことがあります。
出産が近くなって、おなかが大きくなると、自然にピアスが取れてしまいます(あるいは自分で取るのか?)。
でもヘソピーの人は嫌いではないです。
なぜか陽気な人が多い。