院長ブログ
健康診断
2024年4月10日|院長ブログ
紅麹(べにこうじ)のサプリで死亡するニュースが出て大騒ぎになってますね。
腎機能が低下する合併症があったとか。
腎機能の低下って、どうやってわかるか、というと、やっぱり初期はなかなか自覚症状が出ないのでわかりにくいです。
どういう人が腎機能低下しやすいかというと、糖尿病の人と高血圧の人が圧倒的に多い。
では
糖尿病や高血圧はどうやってわかるか、というと、悪化しても自覚症状がないのでわかりにくいです。
糖尿病や高血圧があることを知るきっかけになるのが、健康診断です。
ちなみに「健診」と「検診」は同じ読み方をしますが、意味は違っていて、「健診」は自分の体が健康かどうか確認するもので、「検診」はがんなどの病気がないか特定の病気を調べるもの。
(とされていますが、実際には現場でも混同してることが結構あります)
最近、You Tubeの動画を観ていると「健康診断なんかやらなくて良い」みたいなことを言っているサイトもありますが、私個人的には、「どっちかといえばやったほうがいい」と思っています。
健康診断のデメリットとしては1)基準値より外れている数値の人がいるが、実際には問題ない人が多い 2)そのため「異常」とされた人に余計な精神的負担をあたえる 3)精密検査のために病院に改めて受診して調べる時間とコストがかかる。などがあります
しかし、高血圧や糖尿病、コレステロールの増加など、自分で気が付かなかった異常が早期に発見されるという意味では、受ける価値があると思います。
腎機能を調べるには健康診断の血液検査では主として「SUN(BUN)/クレアチニン」をみます。医者の間では「BUN/クレアチニン」は長ったらしいので、「ブンクレ」と呼びます。
同様に「ナトリウム/カリウム」(間接的には腎機能を反映します)も長ったらしいので、現場では「ナトカリ」と呼びます。「AFP(アルカリフォスファターゼ)」(肝機能の一つ)は「アルフォス」と呼びます。
このように医学では、まともに読むと長ったらしい専門用語を4文字くらいで表現することがあります。
ただし、シロウトが聞いたら誤解されかねない呼び方もあります。
私が医学生の実習で、脳外科を回っていたときのことです。医局会の症例提示で、CTの写真を見て、専門医の先生が、治療方針を議論するのですが、その時の症例は慢性硬膜下血種(まんせいこうまくかけっしゅ)でした。この病気は頭蓋骨の中に出血した血の塊が、脳を圧迫したりして、命にかかわることもある重大な病気です。しかし専門医の間では、いちいち「まんせいこうまくかけっしゅ」とは言わず、略して「マンコ―」と言います。
医学生で、後に産婦人科の道に進んだ私には、その時脳外科の専門医の先生たちが、「このマンコ―、大きいだろ?」「いけるかな?」「このマンコー、ちょっと無理じゃないか」とか、マジメに熱い議論をしていたシーンがやけに記憶に残っています。