院長ブログ
研修医の反乱
2024年3月3日|院長ブログ
隣の韓国で大変なことになっているます
若い医師一万人が仕事をボイコットしたそうで帝王切開が遅れる、救急で心停止の患者が救命できないという影響が出ているそうです。
医師の数を増やそうという政策に反対しているのだとか。
ボイコットした医師によれば、働いている長い時間にたいして、きちんと支払いがされない 休む時間もとれない、という実情を認めてもらいたい、ということでした。
日本と事情が似ているところもあるのですが、とくに韓国では地方で働く医師が少ない 美容外科のような都市での仕事を好む医者が増えていて、偏在が大きく、若い医者の負担に拍車がかかっているようです。
ただ日本では、「働き方改革」の声かけがあって、研修医も「働きすぎないように」労働時間の管理が徹底されるようになりました。だから日本では、お隣の国のように研修医が反乱を起こすことはないと思われます。
若い先生のワークライフバランスについては、私も意義を申しません。ただし、業界の中でそのひずみが発生していることはご存知でしょうか。私と同期で、今、総合病院で循環器科の医長をしている人は「若い先生は時間になるとさっさと帰ってしまうので、夜間緊急のカテーテル検査は自分が出て行って頑張っている」そうです。若手がいない時間帯の補充を年代が上の先生がカバーしている実情があります。
医者の研修は「経験値をあげる」ことでもあるので、若いころの私は、研修医の仕事、喜んでやっていました。
他の同僚のいやがる当直の仕事を「一回2万円で」代わってやっていたことがあります。どんどんスキルが身に着く!と思った私は、当直したくない、という内科系同僚の医師の当直枠を「代わりにやってあげるから」ということで喜んで肩代わりしていたりしました。
労働条件を改善したいという医師からは「お前みたいのがいるから医者の労働環境が悪いままなんだよ」と言われそうです。
やりがいと苦労は表裏一体であり、「ホワイト」とか「ブラック」で単純に切り捨てられるのはいかがなものかと思います。