院長ブログ
爪
2023年12月3日|院長ブログ
物心ついたら、誰でもやっている行為「爪を切る」。
私 爪を切っていて、ふと思ったのですが、爪を切らなかったらどうなるんだろう。爪切りのない時代、(おそらく2000年前以前の)人間は爪をどうしていたのだろう。
そのまま伸びちゃったら不都合あると思うのですが、爪切りも、ハサミのような刃物のない時代、どうしていたんでしょうか。
自分が年を取ったと否応なしに感じさせてくれるのが、足の爪で、若いころと比べて硬くなって、もろくなって、色も変化してきます。皮膚の角質と同じで、含まれる水分量が減っているのがわかります。
今まで使っていた手指の爪切りだけでは足の爪切れなかったので、力を入れることができるニッパーのような爪切り買ってみました。
ニッパーの爪切りを足の指に使ってみましたが、やはり大きな力が要ることがわかりました。「まな板でニンジンを切る」のが若い時の爪とすれば、今の爪は「ナタで薪木を割っている感覚」です。バコーン、バコーンと、強い手ごたえを感じます。
さて
産婦人科の診察室で、初めて診察する患者さんについては、病気の原因を判断するために、顔色や手の指を見るのですが、爪も診断に有用な手がかりを与えてくれることがあります。
鉄欠乏性貧血の人は、爪がスプーンのように変化していたり血色が悪い。 若い患者さんの中にはきれいに見せるために「ネイル」をしている人もいますが、健康状態が判定できないので困ります。パルスオキシメーターで酸素飽和度を測っても誤差が出る可能性があります。
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昔私が研修医だった時の話。救急室で働いていた時に、あるヤクザのおじさんが呼吸困難で、救急車で運ばれてきました。
喘息発作のようです。
(パルスオキシメータつけなきゃ)
と思い、ヤクザのおじさんに
「あ、あの、酸素飽和度、測らせてもらいますから、ちょ、ちょっと指を出していただけませんか」びくびくしながら、そう言うと。
出された指が4本しかない!(ギクッ!)
苦しそうな息をしているヤクザのおじさんに
「ちょ、ちょっと、聴診器で胸の音を聞かせてもらいますから」と言って、丸イスに座った状態で胸の音を聴診。
「じゃ、じゃあ、向こうを向いて、背中を見せてください」と言って、くるっと回って見えた背中には
桜吹雪のりっぱな入れ墨が背中一面に・・・(ギクッ!)
自分の心臓の音がバクバクしているのが、聴診器なしで、聞こえるんじゃないかと思うくらいキンチョーしました!