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院長ブログ

更年期って何

産婦人科では生理のトラブルにかかわる相談を受けますが、閉経や更年期についての相談も多いです。

更年期の症状は人それぞれで、閉経をむかえても、何も困らない人から、いろんな症状で仕事や日常生活に差しさわりがある人まで程度もいろいろです。

よくみられる症状は、「ホットフラッシュ」と呼ばれる、顔のほてりや上半身の発汗、肩こりや手足の冷え、疲れやすい、イライラする、不眠などの症状です。

女性ホルモンのエストロゲンの減少で起こると言われています。程度の軽い人は治療する必要はありませんが、治療には漢方薬やホルモン補充療法が効果があります。

更年期症状の治療については日々話をするのですが、先日、「どうして閉経があるのか」という興味深い話を聞きました。

ほとんどの動物は、閉経がない。犬とか、ネコとか、馬とか「子供を産むことが可能な年齢」の終わり・イコール「寿命の終わり」だそうです。

生理(月経)が終わって(子供を産むことができなくなって)もその後長年生きているのは「人間」と「クジラの一種」だけだとか。

人間の寿命も、長い歴史の中で、近世までは「人生50年」と言われていました。徳川家康みたいに70代まで生きていたのは例外でした。

閉経後も30年以上生存するような現代社会で、閉経後の女性、またはおばあちゃん(一部の方にはいやな言い方と感じる方もいるかもしれませんが、わかりやすく表現するために使います)がいることの意味は何なのか?

ある文化人類学者によれば、家族の中におばあちゃんがいて孫の面倒を見ることで、母親が育児の負担を少なくすることができ、子育てがしやすくなる、出産する子供の数が増え、結果的に少子化しにくくなるのだそうです。私の経験でも、産後の生活の中で、出産した女性のお母さん(おばあちゃん)が家事や育児を手伝ってくれることで、出産した人の疲労感が全然違います。

クジラでの研究でも、おばあちゃんクジラがいるクジラの群れのほうが、全体として群れの生存率が高かったという報告があります。

ここ数十年は、核家族化で、しがらみを逃れて孤独に生活する人が増えましたが、大家族で暮らしていたほうが、結果としてメンタルや身体面で良い影響があることが、わかってきました。

更年期、というと人生が終わったような暗いイメージを持つ人が多いですが、初経(初めて生理が来た時)と同様、人生の通過点としてとらえたほうが良いという話でした。

生理がある年齢を過ぎても、人が元気に過ごしている社会。

50年前くらいまでは、こんな世の中、人類は想像できなかったかもしれません。

これこそ「バーチャル・リアリティ(VR virtual reality)」ではなくて

バーチャンのリアリティ」が存在する社会です。

 

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