院長ブログ
甲状腺のホルモン
2023年4月16日|院長ブログ
体調が悪い人の診察をしていて、たまにひっかかることがあるのが甲状腺です。
倦怠感やむくみ、あるいは動悸がひどい、汗をかく、などで更年期かもしれないと婦人科にかかる方もいますが、甲状腺の異常があっても同様の症状が起こります。
また生理が来なくなる現象も甲状腺機能が低下すると起こります。念のために甲状腺も調べてみると、中に甲状腺機能が異常な値を示していることがあります。
(調べたうちの10人に一人いるかいないかの頻度なのでそれほど多いわけではない)
甲状腺とは何をするところか。 体の代謝に関係するホルモンを出すところです。
代謝って何? 簡単に言うと、体のエネルギーの燃え方を調節することです。 甲状腺ホルモンを体外から取り込むと代謝が活発になって、体重が減るのでやせ薬として違法に薬が売られていたことがあります。
「簡単にやせられる」やせ薬として、あるサイトで販売されていたことがありますが、使用者が死亡するなどの副作用が出たため調査が入り、その中に甲状腺ホルモンを含む物質が入っていたことが発覚したという事件が以前、ありました。
甲状腺ホルモンは体の基礎代謝を活発にする働きがあるので、体の脂肪の分解は進み、発汗が亢進するため、肌はツヤツヤしっとり、目はぱっちり
女性では美人と呼ばれる条件がそろいます。
ただし
甲状腺ホルモンが異常に出る状態は甲状腺機能亢進症あるいは発見者の名を取ってBasedow病(バセドウ病)と呼ばれます。
不整脈、眼球が出てくるといった症状が出たり、汗をかきやすくなったり、体重減少が起こったりイライラした精神症状が出ることがあります。
最近ある女性芸能人がバセドウ病であると公表し話題になりました。
逆にこの甲状腺ホルモンが低下する病気の一つにハシモト病があります。
これは日本人の橋本博士が第一発見者だったからで、この名は医者の間では広く世界で認知されています。
甲状腺ホルモンを作るのに不可欠なのが「ヨード」という物質。
うがいに使う「イソジンうがい薬」に含まれていたり「健康・ヨード卵」に含まれる物質として知られます。
日本人は海草を食べる習慣があるので、もともとヨードの摂取量は多いのですが、放射性ヨード(放射能を帯びたヨード)の取り込みを阻害するために原子力発電所の事故で放射能汚染があった時には予防のために配布されることもあります。
チェルノブイリ原子力発電所の放射能漏れ事故の後、地元住民に甲状腺ガンが急増したこと、覚えている人あるでしょうか。
ヨードは、濃い状態では殺菌作用があるので、医療用として皮膚の消毒に使われます。
以前インドネシア人のドクターを前に
「ヨードの消毒、日本でも使ってますけど、インドネシアで見るとナシ・ゴレン(焼き飯)のソースのように見えますね」
と言ったら、大ウケでした。
さて、甲状腺のネタで笑える話はないかと考えてみたのですが、最近はやりの「Chat GPT」を使って探してみました。
「甲状腺に関係したジョークを教えてください」
と入力したら以下のような出力でした。(完全にコピペしました)
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こちらのジョークはいかがでしょうか。
Q: 甲状腺機能亢進症の人が昼食に何を食べるのが好きですか?
A: サラダ、サラダ、サラダ!(サラダ→Salad, 機能亢進症→Hyperthyroidism)
もう一つのジョークです。
Q: なぜ甲状腺はコンピューターにとって重要なのですか?
A: それは、T4とT3のようなコンピューターにとって非常に重要なハードウェアを供給するためです。
・・・・・・皆さん、笑えますか?
ChatGPTの実力って、こんなもんです。
(注:甲状腺機能亢進症のことを英語ではHyperthyroidism(ハイパー・サイロイディズム)と呼ぶ。「サイロイディズム」をアメリカ英語で読むと「サラダ」に聞こえるため笑えるとChatGPTは判断したのでしょう)
T3,T4とはSF映画のターミネーターをイメージして作ったジョークでしょうか、だとすれば、いい線いってる)