院長ブログ
不妊症の保険適用
2022年4月6日|院長ブログ
今年4月からの保険診療の見直しで、不妊の治療がより多く保険で認められるようになりました。
体外受精に加えて、人工授精(AIH)もその対象になりますが、今までは保険の範囲外で行われていました。
人工授精とは、女性のパートナーである男性の精液をあらかじめ取ってもらって、
それを注射器に入れて、強制的に子宮の中に送り込むものです。
子宮の中まで精子が上ってこれない、と思われる状態の人には有効とされています。
処置自体はたいして難しくもないのですが、患者さんの夫にちゃんと協力してもらう必要があります。
精子の数が少なくなるので、検査の4日前からセックスは禁止としています。
当日朝は、夫はマスターベーションをして提出していただく必要があります。
奥さんがいくら妊活に熱心でも、
だんなさんが「そんなのバカらしくてやってられない!」なんて言われたら治療が
成り立たないので、簡単なようで、難しいです。
男は女性から求められると、○○する気がしなくなってしまう人も多いのです。
先日も、ダンナにわざわざ休みを取ってもらって奥さんと二人で病院に来てもらった方がいました。
そして今までの不妊症の検査の結果と、今後必要な検査について一通り説明しました。
排卵日と思われる日にセックスをする(タイミング法と呼ばれています)のが重要、と説明しました。
「ちゃんとセックスしてますか」
なんて単刀直入に聞くと恥かしがってしまって、その後の問診に支障が出るので、
夫婦生活とか、受精のチャンスとか、遠まわしな表現を使いながら
普段のセックスについてどのようになっているか聞くのです。
仕事だから聞かねばならない。しょうがないんだ、仕事なんだから。
でも聞いているこちらも、恥かしくて意識してしまい、言葉がついドモってしまいました。
「セ、セ、セセックスのタイミングが適切でないと妊娠には至りませんねえ」
セの文字を3回くらいドモった。
意識しなければ、サラリと言えるんだけど。
20年以上医者やっているのに、なんだこのザマは、と思いました。