院長ブログ
冬のスポーツのケガ
2022年2月16日|院長ブログ
オリンピック種目で、私が見ていて「怖い」と感じる種目がリュージュと呼ばれる一人乗りのソリです。
すごいスピードで滑っていくのに、無防備にもあおむけの恰好ですべるなんて。
私が子供の頃、草の生えた斜面で、段ボールを尻に敷いて、そり遊びをした時のトラウマがよみがえります。
天竜川の堤防の斜面、地面のでこぼこで、段ボールから放り出されて、体をぶつけた記憶。
大事な 〇〇タマをぶつけたらどうすんだ!
見ていてとても不安になるスポーツです。
さて冬のスポーツと婦人科 一見何の関係もないように思えますが、
実は冬にするスポーツで、婦人科にかかる人が増加するケガがあります。
スノボでこけて、ボードが股に当たってケガをした、という症例です。
外陰部は静脈が発達している部位なので、ぶつけると内出血を起こしたり腫れあがることが多い、
スノボのエッジは結構硬いので、変なこけ方をして、あそこをヒットしてしまい、おしっこが出にくくなったとか、痛くて動けないという人をたまに診察で診ることがあります。
カテーテルなどで排尿できるようにしていれば、あとは腫れがひくのを待つだけなのですが、オリンピック選手の見事な演技の裏には、失敗してケガをしているたくさんの人がいることも想像すべきです。
私もむかし、成人(20代後半)になってスノーボードにチャレンジしたことがあります。練習する機会もなく、結局まだ滑れません。
私のスノーボード初体験の時は散々な思いをしました。
関西のスキー場で、気温が高いせいで、下は雪があるのに、空からは雨が降るというコンディション。
スノボ初心者の私はよくコケて全身びしょぬれになりました。
その時、同じくスノボ初心者と思われる二人組みの若者の一人が、私の目の前で、ドデンとコケました。
思いっきり腰を強打したらしく、10秒くらい、その若者は、動こうとしません。
「イッテー、イテテテ・・・」
その友人らしき男が心配そうにのぞきんで聞きました。
「おまえ、大丈夫かあ~?どっか打ったんか?」
倒れたまま、痛そうに腰をさすっている彼はつぶやいた。
「大腿やねえ・・・」
救急当直で、日ごろ外傷の初期治療で鍛えていた私は、てっきりこの人は大腿部を強打したのか、と思いました。
・・・
違いました。。
「大体やねえ・・・こんな雪質の悪いところに来ようなんて、言うたお前のせいでオレはこんな恥さらしとんねんで!」
彼はゆっくり立ち上がって、連れの男に毒づいていた。
ただの関西弁でした。