院長ブログ
ガマの油
2021年10月27日|院長ブログ
妊娠中に薬使って大丈夫か、という相談はよく受けるのですが、ステロイド剤も問い合わせが多い薬剤の一つです。
ステロイドはもともと「ステロイド骨格」を持つホルモンで、男性・女性ホルモンなども含まれるのですが、狭い意味では「副腎皮質ホルモン」のことです。
炎症をよく抑えるので、アトピー性皮膚炎、花粉症、喘息、コロナ感染など重症感染の治療、リウマチなど自己免疫疾患(膠原病)など用途はとても幅広く、病院ではよく使われる薬の一つです。
上手に使えばうまく症状を抑えますが、使い方が悪いと副作用がいろいろと出てしまう、「諸刃の剣」のような薬ですが、医師によって処方されているものであれば、治療上のメリットが大きいという判断なので、続けた方が良い場合がほとんどです。素人判断は避けましょう。
妊婦さんで、アトピーの治療につかう塗り薬、鼻炎や喘息で使うステロイドの吸入薬は問題ありません。
産婦人科で妊婦以外にステロイドを使う場面としては1)フェミニーナ軟膏など市販の抗ヒスタミン剤で効果がない陰部の皮膚炎、2)蕁麻疹 3)閉経した女性の外陰部の皮膚の萎縮にともなう痛み、4)カンジダ膣炎に抗真菌薬と併用して炎症を鎮める目的などにもよく使います。ステロイド剤は結構 いろいろ効いてくれるので助かります。
何でも効く塗り薬というと昔は「ガマの油」というのがあったのを知っていますか?
江戸時代までガマの油は「どんな傷にも効く万能薬」とされていたそうです。
ヒキガエルを鏡張りの箱に入れて、自分の姿を見させると、自分の姿に驚いて冷や汗(脂)をたらし、その油を集めて膏薬にしたものが「ガマの油」です。
https://www.youtube.com/watch?v=8bRltHqo7EI
私、大学生の頃、筑波山の近くにある某国立大学に在学していたことがあるのですが、高校時代の友人たちに、面白がって、お土産として売られていた、この「筑波山のガマの油」をたくさん買って、一人一個ずつ送ってあげたことがありました。ほんとに傷に効くのかわかりませんでしたが。
後で友人たちに聞いてみたら、気味悪がって、誰も使っていませんでした。