院長ブログ
人間ドック
2021年10月20日|院長ブログ
「人間ドック」という言葉を聞いたアメリカ人は
人間が鎖につながれて波止場にプカプカ浮かんでいるところを想像してしまうという。
ちなみにDockといえば港の船着き場のこと,
「人間ドック」は和製英語で、日本でだけ使われている言葉らしいです。
これではドザエモン(川に浮かんでいる水死体)じゃないですか、と一人でウケてます。
「人間ドッグ」と問診票に書いてくる人もいますが、これでは人面犬ですね。
婦人科で行なっている健康診断(いわゆる検診)には子宮頚部がんがあります。
子宮頸(部)がんの検査も、単に細胞をとって終わり、という検診から、内診(双手診)で子宮卵巣の大きさに異常がないか調べる検診、エコーも併用する検診など様々あるのはご存じでしょうか。(今うちではエコーを併用したがん検診をしています。)
私が若いころ、アルバイトで「バス検診」に行ったことがあります。
バスの中に二つ内診台があって、カーテンの向こうから、交互にお尻が出てくるのです。
スピードは速いのですが、検査する私は、狭いバスの中、ずっと中腰を強いられ、しかも異常があるのかないのか、
ちゃんと内診もできないので非常にストレスで疲れるアルバイトでした。
膣の大きさもかなり個人差があって、お産の経験のある人に使う膣鏡をお産の経験のない人や帝王切開のお産の人にそのまま使うと痛みを伴うことがあり、神経使います。
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卵巣がんの腫瘍マーカー(ガンがあると上昇する血液中の物質)を調べているところもあります。
子宮体がんの検査は、偽陰性といって、見落としの確率があるので、健康診断のスクリーニングには適していません。
以前は婦人科では子宮がん検診といっしょに乳がん検診もしているところが多かったです。
乳がんの検査は、現在では精度管理の点で触診よりはマンモグラフィーや超音波検査が勧められます。
さて昔は私も乳がん検診で触診をしていましたが、あるおばあちゃんの検診をしていた時のことです。
「わしみたいに70過ぎても乳ガンの心配することあるんですかセンセ?」とおばあちゃん。
「定期的にみたほうがいいですよ。どっかの牛乳みたいに、定期検査しないでほっといたら問題になることもありますから。」
当時、某牛乳会社が、賞味期限切れで汚染された牛乳を販売して問題になった頃の話です。
「わしの乳はもう賞味期限切れてるわ。ふぉっ、ふぉっ、ふぉっ」