院長ブログ
ネットの医療相談
2021年8月25日|院長ブログ
90年代後半からしばらく、インターネット上で無料の医療相談をやっていました。
電子メールでの相談にメールで返信。
お金にはならないのですが、普通の診察では聞けないような相談も知ることができ私も勉強になりました。
当時は回答する医者の数も少なかったのか、中身も濃く、私も若かったので熱心に回答しました。
メールでの相談だと、相手の顔や健康状態がわかるわけではないので
もらった文面から、できるだけ多くのことを推測しなければなりません。
要点をついて、簡潔な文体で書かれた文章であり、何が聞きたいのかをはっきりさせて書いてくる人には
(真剣に悩んでいるんだなあ)と心が動いてていねいな返事を書こうと思います。
逆に誤字を書いてくる人、まとまりのない文章の相談者は
(テキトーに返事しておこう)
という気になってしまいます。
たまに笑わせてくれるような内容のものもありました。
たとえば・・・
「こないだから整理がきません。今まではきちんとあったのに心配です。」
回答:私の部屋も普段はだれかに整理に来て欲しいほど散らかっています。おそらくあなたは「整理」と
「生理」を勘違いしているのではありませんか?
「子宮キンシといわれました。出血が多いようですが大丈夫でしょうか」
回答:だれもあなたの出血を禁止したりはできません。
「避妊したいので欄干をしばってくれませんか」
(欄干 → 卵管です)
「卵巣脳腫と診断されています。どういう点に気をつけたらいいでしょうか」
(正解は「脳腫」→「嚢腫」。)
「子宮がん検査でひっかかりました。がんになる確立はどのくらいでしょうか」
(「確立」→「確率」です)
これは別の先生にあてた相談でしたが、こんなのもありました。
「こないだから癌で困っています。癌の痛みはときどきあったのですが
最近では癌からの出血も多くなってきて、普段の生活にも支障が出ています」
私(本人はさぞ悩んでいるのだろう)
「外科の先生に診てもらったのですが、もうちょっと塗り薬で様子みましょうとのことです。」
(あれ、ガンに塗り薬?)
「最近は痛くて、トイレで座るのもユウウツになりました。このイボ癌はなんとかならないでしょうか?」
この人「痔(ぢ)」を「癌」と間違えていた。
なんとも「脳ましい」メール相談でした。
無料だと回答の質が低下してくるのか、回答者に要求されること(編集者から、断定的な書き方は避けてください、とか、医療機関の受診を促す内容にしてください、とか)が多くなってきて、書くモチベーションがなくなり、今ではやめてしまいました。