院長ブログ
乳房のこと
2021年4月4日|院長ブログ
産婦人科で乳がん検診をしてくれませんか、と依頼をいただくこともあるのですが、
最近では乳腺外科の受診をお勧めしています。
以前は(依頼があれば今でも)乳房の触診をすることがありましたが、触診だけでは見つからない病変もあり、精度の高い検査であるマンモグラフィや超音波(エコー)を使った検査を勧めています。
産婦人科で診察する乳房は、主に産後の授乳に関係した症状を多く診察しています。
そんな乳房についてのエピソードがいくつかあります。
その1
触診するとき、乳房の盛り上がりの位置が右と左で明らかに違う人がいました。
右は正常の位置、左は隆起がおへそ寄りに偏っていて、乳首だけが左右同じ高さ。
エッと思って聞いたところ、手術で胸にシリコンを入れたのだという。
シリコンの固定に失敗して、左の乳房が垂れ下がってきてしまったのだそうです。
よく見ると腋の下の肋骨の部分にうっすらと皮膚を切開した跡がありました。
手術の失敗で垂れ下がった乳を直すのは難しいそうです。
ちなみにその女性はソープランドで働いている人だった。
その2
乳がん検査の触診をする時には両手を頭の後ろに持っていって
乳腺と胸壁にテンションをかけて観察します。
ちょうどアメリカで警察官に
「両手を挙げて、抵抗しないで」と威嚇される犯人のようでもある。
50肩でもないかぎり、たいてい、このポーズで乳腺の触診をするのですが、
なかには、なかなか腕を上げてくれない人がいました。
おかしい、と思いながら腋の下をよく見ると、手術の縫合の跡がありました。
ワキガで手術をして腋の下の皮膚を切除したことがバレるのが恥かしかったのです。
その3
男も乳がんになります。私の知人の男性の医者で乳がんになった人がいます。
その4
タイのオカマが受けている豊胸手術は見事です。手術の跡がわかりません。タイの美容形成医学は日本より進んでいます。
以前、バンコクでタイのオカマショーを見たことがありますが、男のアカシであるオチンチンも見事に抜いており、腰のふっくらした感じも女性そのものでした。
ノドチンコの出っ張りと恥骨のつき方が男性であったことをわずかに物語っているだけで、
これを見抜けたのは私だけではないかとひそかな自負があります。
その5
乳腺の触診をしている時に目を開けて検査していると、患者と視線があって気が散って仕方がないので、私は目をつむって触診をしています。