院長ブログ
内診室のカーテンは日本文化か
2021年3月31日|院長ブログ
婦人科の診察室にはカーテンがついています。
婦人科の診察の時には、顔が見えないようにカーテンをひいた状態で診察をすることが多いのですが、逆にしないこともあります。
昔の人は、自分のされていることが見えない方が羞恥心を感じず安心できるのだろうと、気を利かせて、カーテンをつけるようにしたと思われますが
患者さんと目と目のコンタクトが取れないので診察する方にとってもときどきやりにくいものです。
初めて婦人科の診察をする若い人や外国人はカーテンをしないことが多いです。
カーテンをしているデメリットもあります。
10年以上前に別の病院で診察をしていた時でしたが、
内診室でカーテンをひいた状態で、診察をしようとしたら、診察用の膣鏡が壊れていて
「こりゃどうしようもないなー」
と私が、つい、つぶやいたら、それがたまたまガンの疑いで診察を受けている人でした。
診察台から降りてきた彼女は、真っ赤に目を泣きはらしていた。
(その後必死で言い訳したのはいうまでもありません)
またある時は、診察の補助についている看護婦さんが、たまたま笑い上戸の人で、
診察をしている私に手渡す薬品がボテッと床に落ちたので笑い出した。
「うふっ、ふふふ」
私は(ちょっとやめろよー)というつもりで無言で眉をしかめて首をひねったら、
その表情がおかしかったのか、ますます笑い出した。
「えへ、えへっえへっ、へへへへ」
カーテンの向こうで意味不明な笑いをされたら不愉快に思う人がいるのも当然と思います。
外国では(少なくとも私の見たアメリカやオーストラリアでは)カーテンはついておりません。
診察台も日本のは、トランスフォーマーかガンダムみたいにガチャガチャ動きますが、外国の診察台はもっと簡単にできていて、ただのベンチだったりします。
当地の産婦人科の先生と話をすると不思議そうな顔をされてしまう。
もしかして、診察室のカーテンも日本特有の文化なのだろうか?
この間、お産の後1年ぐらいして、出血があった、という人の経膣超音波を見ていました。
画像に神経を集中していると、いきなり、カーテンの向こうから3本目の足がむにゅむにゅっと出てきた。
(げげっ)
びっくりしましたが、それは
お母さんのお腹に抱きかかえられた子供の足だった。