院長ブログ
パンツの穴
2021年1月6日|院長ブログ
しばらく前から私の下着の中に、穴が開いてしまったブリーフがあるのですが、
いつ処分しようか迷っています。
外から見えるものではないので、もったいないからボロボロになるまではいていようか、それとも早めに新しいのに代えようか・・・
自分が急死したときに、穴のあいたパンツはいていたら恥ずかしいなあ・・・
そういうことを考えていて思い出したのは、今日みたいな寒い冬の日に、公園で倒れていた男性のことです。
***
5年前の話ですが 私は道端で倒れた人に心臓マッサージをしたことがあります。
公園を散歩していたら、私の目の前に男性が倒れていました。
白髪の70代くらいの男性。
今さっき倒れたばかりのようで、うつぶせになって眼鏡がひしゃげている。
通りすがりの発見者によれば、私が通りかかる直前に倒れているのを発見とのこと。
私は男に近寄って、呼びかけましたが反応がありません。
手首と頸動脈で脈をとった。
脈がない。呼吸がない。暖かい。瞳孔が開きかけている。
つい今さっき、心臓が止まったのだと判断しました。
私はすぐに心マッサージを開始した。
両手のヒラで胸骨を圧迫。
心マッサージをしながら周りで見ている人に「AED持って来てください」と叫びました。
胸骨が「ミシッ」と鳴った。骨にひびが入ったかも。
AEDが来たころには、自律的な心拍も再開していた。電気ショックはかける必要がありませんでした。
マッサージをすること数分、動かなかった男性は苦しそうに動き出した 意識ははっきりしなかったが。
公園の係の人が救急車を呼んでくれて、救急隊が到着するまで10分程度。
長いような短いような10分でした。
救急隊に任せれば、後はすることがないのでその場を立ち去りました。
もし自分の名前を聞かれたら
「名を名乗るほどのものではありませんから」
と答えてみたかったのですが、私が誰かなんて、誰も聞いてくれませんでした。
その後、どうなったか、知りません。
***
心臓マッサージをする前に、上着を脱がせました。
ズボンも緩めました。
男性のパンツは、おしっこのシミがついていました。
別にそんなこと、どうでもいいのですが、
自分が倒れた時に、パンツにおしっこのシミがあったり、穴があったりしたらイヤだなあ
と、自分のパンツを見ながら、思い出すのでした。