院長ブログ
サンタの帽子
2020年12月27日|院長ブログ
この数日、一時的にお産の件数が増えました。寝不足気味。
産婦人科での仕事は、他の診療科と比べると、ハッピーであるといえます。
老人の病気を扱うほかの診療科と違って、
唯一「おめでとう」といえるから。
お産の進み方は早い人もいれば遅い人もいるのですが、生まれてくる赤ちゃんは
狭い産道を通ってくるので、頭の形が変形して縦長になっていることもあり、お産に長時間かかった場合には、後頭部が盛り上がって生まれてくるような赤ちゃんもあります。
出産直前まで来て、お産が止まって長時間経過してしまっている状態の時には点滴による陣痛の誘発をしたり、吸引分娩といって、胎児の頭を牽引して、体外に出す操作を行うこともあります。
吸引分娩は、簡単に言うと、掃除機のホースのような吸引管の先に、トイレの詰まりを取るための吸盤のような器具や丸い金属カップがついた機械を使うのです。
骨盤をとおり、膣から出てくる胎児の頭は、大人と違って軟らかく変形しやすく、吸引分娩を何回かすると、出生後3日くらいまで吸引カップの形に頭が変形していることがあります。
生まれたばかりの赤ちゃんは、頭が大きくて、頭から体温が奪われやすいので
赤ちゃんの頭に帽子をかぶせて、体温が下がらないようにします。
私が総合病院に勤めていた10年くらい前の話です。
12月のある日、吸引分娩で生まれた赤ちゃんを見に行ったら、眺めたらサンタクロースの赤い帽子をかぶっていた。NICU(新生児集中治療室)のスタッフの粋な取り計らいでした。
「いやーん、可愛いー」
新生児室のベビーを見に来ていた、見舞い客の若い女性が声を上げていました。
私だけでした。
帽子の下に吸引分娩のでかいタンコブができているのを知っていたのは。