院長ブログ
時刻合わせ
2024年10月23日|院長ブログ
時計を一つ持っている人は、何時だかわかる。
時計を二つ持っている人は、正確な時間が分からない。
ある有名人のコトバですが、正確な時間を知ろうとする時、複数の時計があると、逆に迷ってしまいます。
うちのクリニックにも電波時計が複数おいてあるのですが、クリニックのある場所が山の影になっていて、電波が受信できません。
電波時計は絶対ずれないわけではなく、クリニックのある山の影になる地形では、標準時刻を発信している(福島県にあるらしい)電波塔からの電波が届かないようです。壁掛け時計を外に持って行って、電波を受信させる作業、私がやっています。
私のクリニックではお産を扱うのですが人の産まれた時刻は、正確に記録したいです。
分娩室のどでかい壁掛け時計は開業当初、先輩の医者から贈られたものです。
デカすぎてどうか、と思いましたが、もらいものだし、電波時計だから時刻がずれる可能性はないだろう・・・
と思って1年くらい使っているうちに、実際の時刻とズレが生じてきました。時計背面のつまみでは時刻の微調整ができません。電波を受信しないといけない。
どでかい時計を壁から外して、軽トラックに乗せて、見晴らしのいい高台に運んで行って、時計背面の「電波受信」ボタンを押し続けていると、しばらくしてやっと「受信中」のランプがついて、時計の長針が動き出す。
重くて、片面割れそうなガラスで、運ぶの面倒だし、電波時計でない時計は「質の悪いクォーツ時計」並みの精度です。7年目に電池が切れて交換が必要になりましたが、特殊な電池で、ネット通販で4000円かかりました。
さらに、この時計、遠目で見るにはいいのですが、近くで時刻を読むと、文字盤と針の距離があるので、見ている位置によって、時刻が2分くらい違って見える。
「出産時刻 22時6分です」というスタッフと「22時8分でしたよねえ」というスタッフがいて、出産時刻が正確にいつなのか、問題になることも。
ということで、この面倒な時計、このたび引退させて、1000円ちょっとで購入した壁時計を使うことにしました。
時計とかクルマとかスマホとか、身の回りのものは、「高くて豪華で扱いが面倒なもの」よりは「安くてシンプルで使いやすいもの」がいいに決まってます。