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院長ブログ

洗礼

新型コロナの発生が少なくなったと思ったら、インフルエンザやマイコプラズマ肺炎の流行、そして最近ではりんご病(伝染性紅斑)。

こういう病気は最初は似ていて診断が難しいのです。熱っぽい、鼻水、頭痛等初期ではフツーの風邪と区別できません。

 

よくニュースの報道では「初期に近くの内科にいったらふつうの風邪と間違えられた・・・」とありますが、これは当然のことです。

時間が経つにつれて、だんだんと感染症特有の経過がはっきりしてくるので、後で診察した医師ほど正確な診断がつく可能性が高くなります。

風邪の症状を起こすウイルスは、正確に特定できるものが増えてきましたが、現時点では特定の抗ウイルス薬が開発されてないものが多いです。

だから、自然治癒に期待したほうがいい場合が多いです。

風邪薬はありますが解熱鎮痛剤などで症状を抑えるだけです。テレビの宣伝をみると、「のめば風邪がなおる」ような印象がありますが、風邪のウイルスを抑える薬はないのです。

私もたまに軽い風邪をひくことがありますが、そういう時は自然治癒力を期待して、葛根湯や小青竜湯などをのんでしのいでいます。

日頃からの手洗いなどの衛生操作が重要です。

ふつうの人が気をつけても、感染が起こってしまう、大きな原因の一つに「子ども」があります。

ノロウイルス、ロタウイルスなどの下痢症のウイルス、突発性発疹やサイトメガロウイルスなどのヘルペスウイルスの仲間、風疹、インフルエンザウイルス、リンゴ病(パルボウイルス)など、子どもの間で流行し、子どもの親にうつって、大人で感染が広がるウイルスがあります。

2~5歳の子供に「手洗いしなさい」と言ってもまずムリ。園で子ども同士で感染した後、自宅でママやパパに「抱っこして」もらい「チュー」して感染が広がります。

そういうわけで、小児科の医者は冬に急に忙しくなります。

小児科の先生は初期の研修の頃に子供の患者からからいろいろ感染症をうつされるそうです。

この一年目の経験を「小児科の洗礼を受ける」と呼ばれています。

私も救急にいた研修医のころ、洗礼を受けましたた。風邪ひきでやってきた5歳の子どもの喉を見ようとして、

「お母さん、ボクの頭抑えててね。さあ、アーンしてみようかあ」

と舌圧子で舌を押さえて喉を見ようと顔を近づけたところ・・・

グェホッ、グェホッ

子どもの痰の混じった唾液が顔じゅうに付着したことがあります。

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