院長ブログ
赤ちゃんの名前
2024年6月12日|院長ブログ
私も産後の一か月健診をやっている時に、赤ちゃんの名前を聞くようにしています。
名前は一生の宝物。親の思いがいろいろ込められていて、名前の由来をうれしそうに教えてくれる方が多いです。
ここ最近のトレンドは、男女の性差を感じさせない「ジェンダーレス」な名前が多くなっている、ということと
日本らしさを感じさせる古風なレトロネームが人気になっています。
2024年5月 | 男の子の名前ランキング | 女の子の名前ランキング | ||
1 | 蓮 | 1 | 凜 | |
2 | 結翔 | 2 | 陽葵 | |
3 | 暖 | 3 | 芽生 | |
4 | 凪 | 4 | 紬 | |
5 | 湊 | 5 | 心陽 | |
5 | 陽翔 | |||
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ちなみに以前の記録を調べてみると、5年前は以下のランキングでした
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名前は時代を反映するので、名前だけからでもおおよその年代が推測できたりします。
うちの祖母たち(1900年代ごろに生まれた)は名前を「りん」と「きみ」と言いました。「たま」とか「ぎん」とか二文字のひらがなが多い。
私の母から私たちくらい(~平成に変わるくらいまで)世代の女子は「〇〇子」とつく名前が多い。
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以前「りんたろう」という名前を付けたお母さんがいて
私が「森鴎外の本名じゃないですか」と言ったところ、本人はご存知なかったようで、びっくりしていました。
森鴎外は明治時代の小説家で軍医としても有名で、本名森林太郎です。
森鴎外の最初の妻が赤松登志子といい、私の住んでいる磐田市出身の方です(赤松邸という観光名所があります)。
少し前に、赤ちゃんの名前に「キラキラネーム」と呼ばれるものがあったのを覚えていますか?
森鴎外の子息の名前は、当時としては珍しい呼称で、「元祖キラキラネーム」ともとれます。
長男 於菟(おと、医学者、台北帝国大学医学部教授などを歴任) (オットー・・・ドイツ人名 )
長女 茉莉(まり、随筆家・小説家) (マリー・・・フランス人名)
次女 杏奴(あんぬ、随筆家) (アンヌ・・・フランス人名 )
なのです。
以前ネット上で話題になったキラキラネームの例には
泡姫(ありえる)
黄熊(ぷう)
姫星(きてぃ)
などがあり
星梨 せいり
神生理 かおり
大穴 だいあな
なんていう名前もキラキラネームに挙がっていました。
一概にキラキラネームが悪いわけではありません。
ただし、救急病院の小児科からは、苦情が来ます。本人と同定するのに時間がかかるとか。
たとえば、救急隊から「喘息発作で救急搬送いいですか?」などと
小児科医師「名前は何ですか?」
救急隊 「読めません!」
本人の確認に手間取っていると、手遅れになりそうなケースがあるとか。