院長ブログ
試験に受かりたいなら徹夜をやめて良く寝る
2018年8月15日|院長ブログ
クリニックに来る患者さんで、「眠れない」という人もおられます。
40代以降の方が多い。
男女関係なく、加齢により深い眠りの時間が短くなり、またトータルの睡眠時間が短くなりので、眠りが浅くなったと感じる原因になります。
女性については、更年期の症状で出ることもあります。
MRIなど診断技術の発達で、睡眠については以前より詳しいことが分かるようになりました。
昔は「寝ている時間が人生の無駄な時間だからできるだけ短いほうがいい」と考えられていましたが、今では「健康のためにはしっかり眠りましょう」に変わってきています。
古来から生物に備わっている体内時計をキープすること。これが乱れると糖尿病や心疾患、認知症などのリスクが増えることが知られてきました。
人の脳は眠っている間に、日中の記憶を情報整理するので、受験勉強中でもちゃんと寝たほうがいい。
これと逆に、悲惨な記憶を定着させないために、戦地から戻った兵士にはあえて眠らせないようにしたほうがいいとアドバイスする研究者もいます。
不眠の患者さんには夜中に目が覚めてしまう、という人もいますが、健康な人でも夜中に何回か目を覚ましているそうです(しかし通常、目を覚ましたことをほとんど覚えていない)。
20世紀初頭の偉大な精神科医フロイトは「夢と無意識」に注目したことで脚光を浴びましたが、現在の睡眠研究者からは、夢の内容についてはあまり重要ではないとされています。
電灯が発明される近世までは、ほとんどの人は日が暮れたら強制的に、じっとしているか眠るしかないので、「不眠症」という概念すらありませんでした。

ネコまくら 気持ちいいです
動物はみんな眠ります。動物のナマケモノも1日10時間眠るそうです。キリンは5時間以下。イルカは泳ぎ続けているために、脳の半分ずつ眠らせているそうです。
脳をもたないクラゲやプランクトンにも一日の間の活動性に変化があり、眠りの起源とされています。
そういうことで、健康のためには眠りましょう、という話でした。
こんなことを書いていたら、深夜になってしまいました。
早く寝ようっと。