院長ブログ
暑さの記憶
2022年6月29日|院長ブログ
このところ暑いですね。35度を越えた地域も多数。
さて、私が今までの人生で経験した中で、最も暑かった外気温は40度でした。(サウナは除く)
2002年にアフガニスタンにいた時です。
私たちの活動拠点の診療所は砂漠の中にある集落のようなところで、やってくる男性患者の95%は農家。
日陰のない屋外で一日中農作業をしているせいか、太陽に当たりすぎた熱中症の患者が多かったです。
40度を越える猛暑でも、農民は長袖の服を着ている点が日本と違うのですが、
カラカラに乾燥している地域では直接皮膚に太陽が当たらないほうが涼しいのです。
診療所の患者の中には、真夏なのに、日本の冬のドテラみたいな厚い服を着ている人がいます。
脱水の治療の前に、(お前、その服脱げよ)と言いたくなったのですが、
アフガニスタンの人にとっては裸でいるよりドテラを着ている方がマシなのだそうです。
農民の患者のリクエストで多かったのが
「点滴してくれ」
でしたが、点滴すれば病気が治ると思っている人の数は日本以上でした。
さて、アフガンのような暑くて乾燥した気候では、農家の作物も限られ、日本で食べている食材の多くが手に入らない(納豆や豆腐など大豆食品や、魚 豚肉)のですが砂漠でも育つ種類のメロンだけはおいしかったです。水分が少ないだけに糖度が高く、ジューシーでした。
日本で買ったら数千円もするような味のメロンを毎日パクパク食べていたわけで、日本に帰った時に「アフガンでは毎日メロンばかり食べれるよ」とやせ我慢して自慢したのですが、
「メロンばかり食べている」のは、実は「メロンしか食べるものがない」ということです。