院長ブログ
頭痛
2022年7月3日|院長ブログ
今日は頭痛がひどかった。
私は頭痛で困ることは、普段あまりないのですが、一定の条件が重なると出るようです。
本日早朝5時代に分娩が一件あり、私が自宅を出てクリニックに出向き、お産に立ち会ったのは、いつものことでしたが、8時から年に数回ある私の地域の資源回収(廃品回収)があり、当番なので出席。
私のクリニックで出産されたお母さま達も資源回収に来ているので、ダラダラした格好は見せられないと(Tシャツのラフな格好でしたが)新聞・雑誌の回収に奔走。
作業の途中で、緊急帝王切開の呼び出し。こんなことは2カ月に一回あるか、ないかの頻度ですが、作業の途中で一人その場を抜けるのは、やはり気が引けるものです。
緊急手術なので、スタッフをそろえるのに気をもんだり、手術中トラブルがないように気を使ったりと、気疲れしました。
手術が終わるころになって、頭の芯から「ズン・ズン」とひびくような頭痛。手術が終わったころには、吐き気も感じるほどに。体もだるくなって、立っていられなくなり、私が必要な部分が終わったら、待機室のベッドで横になって、寝込んでしまいました。
数時間後、意識が戻ってくると、外は雨の音。朝は曇り空でしたが、台風が近づいているんでしょう。
ああ、低気圧で悪化する頭痛だな、と納得しました。心身のストレスもあり、悪化したものと思われました。
さて
頭痛の種類はいろいろあり、比較的頻度の高いものに「血管性頭痛」があります。「片頭痛」は若い女性に多く、目がチカチカするなど前触れの症状があります。生理前に悪化する人もいる。「群発頭痛」は男性に多く、夜間に起こることが多いです。また、「筋緊張性頭痛」も良く見られる頭痛の一つで天気が悪い日、睡眠不足、精神的緊張から起こることもよくあります。
神経痛、緑内障、副鼻腔炎(蓄膿症)、虫歯などからも頭痛が起こることがあり、一口に頭痛といっても原因はいろいろあります。
妊娠の初期にも頭痛を自覚する人は結構多いです。
軽度の頭痛であれば、アセトアミノフェンが良いですが、バファリン イブ セデス ノーシンなどの市販薬も短期的には問題ありません。
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さて、若い年代にはまれで高齢者に多いのですが頭痛の原因に「慢性硬膜下血腫」という病気があります。
本人も大したことはないと思うような、たとえばクルマに乗るときにコツンと頭をぶつけた程度の打撲でも発症することがあります。
症状の出方がゆっくりで、頭痛の程度も軽いことがあり老人なんかでは認知症と間違えられて見逃されることもあります。
現在ではCTで簡単に診断がつき、手術によって非常によく治ります。
ちなみに、脳外科の専門医の間では「慢性硬膜下血腫(まんせいこうまくかけっしゅ)」のことを、略して、「マンコー」と呼んでいます。
総合病院の医局のカンファレンスで脳外科の専門医たちが
「このマンコー、大きいなあ」
と真剣な顔で議論しているところに居合わせた私には、なぜか耳障りに聞こえてしまうのでした。