院長ブログ
俊足(しゅんそく)
2021年10月10日|院長ブログ
秋で運動会のシーズンですね。
出産した後の健診で、赤ちゃんの名前を聞くことにしています。大事な親からのプレゼントである名前。男の子では最近「俊介」「俊太」「俊太郎」と「俊」という文字が入った名前を聞くことが多いです。
「俊くんかあ、いい名前ですねえ、きっと足が速くなるよ。俊足だから」
と、私は、相手が喜んでくれそうなことを言ってます。
子供用の運動靴で「俊足」というよく売れた靴がありますが、左コーナーで体が踏ん張れるように靴底が左右非対称になっているのが特徴だとか。
しかし「足が速い・・・」とか「俊足」という言葉を聞くと、私はぎくっとします。幼少期の心の中にトゲが刺さるようなトラウマです。
私は子供の頃、かけっこが遅くて、小学校の短距離走ではいつもビリ付近。運動会の駆けっこは苦手な種目の一つでした。短い時間に力を出しきる競技は苦手です。
自分では一生懸命走っているつもりでも、早く走れない。
体力検査の50m走で力を出して、目をつぶって全力で足を動かしていたら、間違って隣のレーンに入って走っていたことも。
人間、努力さえすればなんとかなると教えられて育ちましたが、短距離走など、努力だけではどうにもならないことを思い知らされました。駆けっこは勝敗がはっきりします。
その後の人生でいろいろ勝ち負けを経験しましたが、負けた人の身になって考えることができるのは、この「駆けっこが遅い」という経験からと思います。
パプアニューギニアのことわざに「努力だけでことが成るならば、オカマが子供を産むであろう」というのがあります(10代の頃知りましたが 実在するかどうか知りません)
競技系スポーツはキライだった一方、体を動かすのは好きだったので、「サッカーでボールを追いかけて、ただ走っている」
「ドッジボールでひたすら逃げる」 などはよくできていた気がします。大人になっても走ったり、逃げたりしています。