院長ブログ
子宮の日とネコの避妊
2024年4月17日|院長ブログ
先週の話ですが、4月9日は「子宮の日」でした。「4」と「9」で「しきゅう」。
子宮頸がんも「パピローマウイルス(HPV)」という名のウイルスが関連しています。がん検診も大事です。
最近は子宮頸がんの予防ワクチンをうつ人も増えてきましたが、ワクチンの予防も大事です。若い年代の人ほど効果が高いです。
さて少し前の話ですが、
人間の子宮を治療する私が、飼いネコの子宮の手術をしてもらう立場になりました。
飼っていたネコが出産を終えたので、避妊手術をすることになったのです。
獣医のところに連れていったところ、メス猫の避妊手術は、「子宮と卵巣を全部とってしまう」と聞いてビックリしました。
子宮と卵巣を取る?
私は医者として人間の避妊手術もやっていますが、人間(女性)の避妊手術は
卵管を切ってしばるだけです。
なぜ、ネコは子宮まで取らないといけないんだ!
余計なことを!
獣医に聞いてみたかったのですが、ちょうどその時、私の担当する帝王切開や卵管結紮の手術で忙しく、ついに聞きに行くことができませんでした。聞いたとしても、ネコを偏愛する飼い主からのクレームと思われたでしょう。
人間も動物も生殖器官は、おなかのすみっこの方にあるので、手術は基本的に同じはずで、私が自分のネコを手術してしまおうかとちょっと思ったのですが、ネコの麻酔につかう薬剤の量の加減がわからないのであきらめました。
ちなみに、人間以外の犬や猫では子宮は二つに分かれています。
人間は子宮は一つ。
しかし稀に人間でも「双角子宮」といって、100人のうち数人の割合で子宮が二つに分かれている人がいます。普通に妊娠が可能な人は多いのですが、中には早産を起こしやすい人もいます。
他の病院で聞いた話ですが、妊娠初期に出血を起こして、エコーで見たところ、子宮の中には何も見えず、「流産ですね」と先生が診断していたら、手術後しばらくしてだんだんとおなかが大きくなってきました。
双角子宮に気づかず、さらにその片方で妊娠が継続していたことに気づかず、流産してしまっていたと思っていたら、片方にしっかり妊娠していて、胎児が育っていた、という事例があります。