院長ブログ
男性の助産師
2020年11月18日|院長ブログ
今、私のクリニックに助産師実習の学生が来ています。
その期間にお産がありそうな妊婦さんに、協力のお願いをしております。
ある日一人の妊婦さんが、「前別の病院でお産した時に、男性の助産師実習の学生にあたりましたよ」と教えてくれました。
男性の助産師は、日本では、まだいません。(外国(オーストラリア、イギリス)では存在しています)
産婦人科の医者に男性がいるんだから、助産師も男性がいていいだろう。
男性の職場に女性が進出しているんだから、女性の職場に男性が入っても・・・
という意見もあります。実は20年以上前から議論されています。
保育士のように、男性ばかりだった職場に女性が入っていくことはよく話題になりますが、しかし「助産師」の学校では、男女応募可能とうたっているにもかかわらず、入学試験で男子学生は合格させてもらえないそうです。
男性の産科医である私から見ても、男性の助産師はちょっと大変かも・・・と思います。
助産師の仕事はお産だけではなく、授乳の指導でおっぱいの形を見たりマッサージしたりとか、悪露(産後のおりもの)の交換でナプキン見たりとかするので、産婦さんが嫌がるんじゃないか。
ただ、お産に興味を持つ男性は、一定数いると思います。
今まで私が他の病院で働いてきた中でも助産師実習をする男子 看護学生を数人見たことがあります(チャレンジャーだなと思いました)。
夫や、時に子供が立ち会って臨む「立ち合い出産」が増えてきている昨今、お産(分娩)を扱うのは女性助産師だけと規定しているのも、時代が変わると考え方も変わるかもしれません。
ちなみに11月19日は「国際男性デー」だそうです。
メディアではやたらと「男らしさ」「女らしさ」を」強調したり、トランスジェンダー云々の議論をしています。
産婦人科医をしている男性の私としては、(お客さんからの希望でいうとデメリットはありますが、)普段の生活の中で私自身がデメリットを感じることは全くありません。
男とか 女とか、どっちでもいいじゃん。
という意見は今は受け入れられないのでしょうか。