院長ブログ
グアム島の日本兵
2020年8月5日|院長ブログ
テレビのニュースで真珠湾の風景が映されていました。
戦争の時の日本を思いました。
私はハワイは行ったことないのですが、グアム島を訪れたことがあります。
グアム島で横井庄一の洞穴を訪ねて行ったことがあります。
横井庄一とは、日本の敗戦後28年してグアム島で発見された元日本兵です。戦争が終わったことを信じず、ひたすらグアム島のジャングルの中に潜んでいた日本兵です。
「恥ずかしながら帰ってまいりました」は当時の日本の流行語になりました。
彼が70年代に日本に戻ってからは、自身のサバイバル経験から耐乏生活評論家として有名になりました。
サバイバルスキルの達人。 少年時代の私には、あこがれの一人でした。
グアム島に行った後、私はレンタカーを借りました。
日本の淡路島くらいの広さしかないグアム島は、クルマで簡単に一周できてしまいます。
ダウンタウンを離れると、石灰質のやせた土壌でできた南の島の風景が広がっています。
「グアムの道路はサンゴが混じっているので、ちょっとしたことでパンクしてしまったり、雨の日にはスリップしやすいので気をつけてください。」
とレンタカーの営業の人に言われました。
南の島ですが、ジャングルとは違って、背の低い潅木が広がっている、荒原というイメージがふさわしいです。
島の南部にやってきた私は人気のない荒原を10分も走り、グアムで最大と言われるタロフォフォの滝の入り口に着きました。
渓谷を刻む台地の表面には、赤茶けた土が見え隠れしていて作物が育つのに適した土地には見えませんが。渓谷へ降りると状況は一変しました。
水量豊かな沢があり、大きな岩の表面を、水が陽光に輝いて流れ落ちていく。
小川の淵の粘土質の土に足を取られないよう、木の板が張られてあり、
これをたどって歩くこと数分、横井庄一が住んでいたという洞穴にたどり着きました。
あまりに小さい。
竹やぶの根元に掘られたその穴は、地面から2メートルの深さもなく中に入ってみると、大柄な私が這いつくばってやっと通れるくらいの直径1メートルの横穴が掘られていました。
洞穴の壁はジメジメとしていて、10分もいると皮膚病になりそうだったし、洞穴の入り口に1分ほど立っているだけで、私の臭いをかぎつけたのかヤブ蚊の大群が押し寄せてきました。
一人の人間がこんなところで20年以上も過ごしたなんて、どうも信じられませんでした。
人間、完全に一人だけで、生きていけるだろうか?
*
腰を上げるとき「どっこいしょ!」
と声を出すのをオヤジギャクの世界では
「ヨッコイ ショウイチ!」と言います。