院長ブログ
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2020年12月9日|院長ブログ
病気や体のことを知りたいとき、あなたはどうしますか?
「ネットで検索」?
病気のことが心配で、ネットで調べてみたという患者さんは多いのですが、とくに最近はスマホで検索している人が圧倒的に多いと思います。
医師としての立場から言わせていただくと、「問題アリ」のwebサイトが時々あります。
どう問題なのか、一般の方にはわかりにくいのですが、要点は
1)正確な情報提供ができていない
2)断片的な言い方で不安をあおる
ためです。
クルマの運転免許をこれから取ろうとする人に「クルマの運転は死亡事故のリスクをはらんでいますから気を付けましょう」
とのアドバイスがのっているサイトが検索順位の上位に沢山書かれているようなものです。
ウソではないですが、妥当性に欠けると思いませんか?
人間の心理として、同じことが沢山書かれていると、それが正しいと思ってしまう。
「オロナミンCを飲むと、安産になるって本当ですか」
と私に聞く妊婦さんが、ある時から急に増えてきたので、おかしいと思って「オロナミンC 安産」で検索したら
「私はオロナミンCを飲んだ後、安産になりました」という記事が、検索順位の上位にずらっとならんでいたのでびっくりしたことがあります。
(科学的根拠はないと専門医の私は思っています)
ある時期「焼肉を食べると安産になるんって聞いたんですけど本当ですか」という妊婦が増えてきたので、(もしや・・・)と思って検索してみると「焼肉食べたら安産になりました」という文章の書かれたサイトが多数発見されました。
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「妊娠中は重いものを持ってはいけません」
「妊娠中は生魚を食べないように」
素人が聞くと、なんとなくそれらしく聞こえますね。
「妊娠中は**㎏以上のものは持ってはいけない」などとは、20年以上医者をしていて聞いたことはありませんし、15㎏位の子供を抱っこして診察室に入ってくる妊婦など沢山おります。
厚生労働省のホームページにもありますが、魚介類は不飽和脂肪酸、DHAなど胎児の発育にもよい栄養が含まれているので、推奨すると書かれています。
批判の対象になる商業サイトは、素人のライターに文章を大量生産せて、広告収入を得る営利目的であることや、びっくりするようなタイトルをつけて注目をひこうとしている所が問題です。
ネットで検索する時は、信頼できる情報なのかサイトのURLを見ることも大事です。
私も日常診察室で診察中に、患者さんに、「これはアテになるサイト」「これはアテにならないサイト」と検索の仕方をアドバイスすることもあるのですが
アテにならないサイトの見分け方がわかってきました。
「***だそうです」「***らしいですよ」と間接表現が多用されているサイトはアテにならないサイト。
挿入する写真が、文章の内容と合ってなくて、どうにでも使いまわしのできる写真が載っているサイトは「アテにならないサイト」です。
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