院長ブログ
断食の経験
2022年9月18日|院長ブログ
やせるのは簡単だ。
食べなければいい。
1ヶ月で10kg体重を落とした経験があります。
私が医療NGOの援助活動ででアフガンに滞在していた15年前、私は地元のイスラム教の習慣にならって断食をやってみました。
イスラム教ではラマダンといって一年のうち約1ヶ月断食を行う時期があります。その年は今年の今くらい、秋から冬にかけてが「ラマダンの断食」でした。
敬虔なイスラム教徒は戒律にしたがって、断食を実行しますが、私が断食に参加すると聞いて、同じ職場のアフガン人たちは感心してくれました。
「ドクター、イスラム教徒の気持ちを理解しようとしているんだね」
日本でいえば、ふんどし一丁で念仏を唱えて滝に打たれるとか、
足のしびれをガマンして座禅を組む外国人に見えたのでしょう。
まったく食事を摂らないわけではなく、日没から日の出の間は食べることが許されるので、人々は夜の間に飲み食いします。病人や妊婦は免除されるのだとか。
まとめ食いをすると、普通はむしろ太るのですが、私は食欲をぐっとこらえて、夜間は他の日本人スタッフと普通の食事をして、翌朝は日の出前の4時半におきて、誰もいない台所で、一人、インスタントラーメンを作ってすすっていました。
太陽が昇ると、断食の生活が始まる。
日中飲まず食わずだと、ぼーっとしたりイライラしたりして全然仕事の能率が上がりません。
(日本のサラリーマンがイスラム教だったら、大変なことになりますよ)
朝ラーメン食べて、昼は飲み食いせず。午後になると、喉が渇き、腹が減って、ひもじい気持ちになります。
ひたすら日没が待ち遠しい。
ラマダンの断食があけるころ、オフィスの体重計でもう一度測定してみました。

CGありません 本当の私
なんと、82kgだった体重が72kgまで落ちていました。
面白かったので写真を残しています。
断食明けにはイードといって、日本の正月のように、ごちそうしたり、遊びに出たりの行事があります。
アフガニスタンでは他にも
「下痢ダイエット」
とか
「寄生虫ダイエット」
などもありました。痩せる方法はいくらでもありますが、あまりに壮絶すぎて、ここでは書きません。