院長ブログ
短くて青いもの
2021年9月8日|院長ブログ
産婦人科医の仕事は急変の連続。
何年か前の話。
夕方に病院近くで同僚とサッカーの練習をしている最中、病院から自分のケータイに緊急連絡が入りました。
妊娠高血圧で入院していた妊婦の状態が急変したと。
私は全速力のダッシュで病院に戻りました。
青いTシャツと短パンという、サッカーをしていた格好のまま病棟に駆け込んみました。
患者は状態が急に悪くなっていて、そのまま緊急の手術をすることになりました。
手術室で速攻着替えてオペ。
手術は無事終わり、患者と胎児はなんとか救命できました。
私は医局に置いてあった着替えを着て、夜中に帰ったのです。
・・・
翌朝私が眠い目をこすりながら病棟に出てくると
ナースが私に聞きました。
Ns「先生、ゆうべ何か忘れていったものはありませんか?」
私「・・・?」
Ns「青いものですよ」
前夜サッカーの時にはいていた青い短パンを思い出した。
あわてて着替えて、短パンを、病棟に忘れていったらしい。
私はとぼけて
「忘れていった青いもの?? それはぼくの 青春?」
と答えたら、予想以上にこのナースにはウケました。
腹をかかえて大笑いしながら、彼女は付け加えました。
「青くて、短いものですよ!」
3秒考えて、自分はまた答えました。
「そう、短かったぼくの青春」