院長ブログ
風邪の季節
2022年12月21日|院長ブログ
風邪の流行
風邪とインフルエンザが流行りだしていますね。。
私の外来にも妊婦さんの風邪ひきが多く来られます。
私はざっと診察した後、患者さんに説明するのですが、同じ症状でも二通りの説明があります。
「薬もだしておきましょう。」
と伝える人と
「妊娠しているからお薬はださないでおきましょう」
と伝える人。
一般的な風邪(ライノウイルス、コロナウイルス、RSウイルス等が起こす上気道炎症状)に対する薬剤はほとんど対症療法なので、投薬の有無にかかわらず、治ります。
薬を使わなくてもなおりますが、逆に薬を使って軽症で済むということもない(抗インフルエンザ薬を除く)
いずれにしろ、胎児への影響はほぼありません。
要するに、どっちでもいい、ということ。
ここで、患者さんの顔が「薬ほしい」という顔をしていれば、薬を出しますし、
「薬いらない」というなら出さない。ここらへんが医術のサイエンスでないところです。
疑い深い人は、私が薬を出すというと
「先生、それ妊娠中にのんでも大丈夫なんでしょうねえ。」 ときりかえしてくる。
(害のある薬なんて出しませんよ、薬が不安なら飲まずに寝といて!) とは声に出さずに、笑顔で対応。
「今まで多くの妊婦さんが同じ処方を受けていますが、 これが原因で問題になった人はございません。」
と言っています。
風邪のウイルスに抗生物質が効かないことは認知されていますね。
気管支炎、肺炎、中耳炎、副鼻腔炎は別として、ふつうの風邪では必要ないです。
解熱剤についても、発熱することが免疫系を賦活させる生体の自然な反応であることを考えれば、 38度以上でなければ熱を下げなくてもいい。鎮痛効果を期待して、解熱鎮痛剤(アセトアミノフェン)を使うことはあります。
抗ヒスタミン剤(クロルフェニラミンなど風邪薬の成分)は鼻水、鼻詰まりには効くが、眠くなります。
私自身は、葛根湯、麦門冬湯、小青竜湯などの漢方を好んで使います。
生姜やネギ、ビタミンCなどもいいでしょう。
“効いた気がする治療”で害がないものなら別に何使ってもいいと思います。
先日、妊婦の外来の待合室にいた人で「あたし、チョーむかつくんですけど!」 と言っているのを耳にしてしまいました。
薬の説明で何か怒らせてしまったんだろうか・・・
風邪ひいた友人に、そう説明していた、この人は
ただのつわりの症状でした。