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院長ブログ

レントゲンの読影

私が開業する前、1990年代くらいまでは、開業医にはレントゲンの機械を持っているところが多かったです。

健康診断で経験されることも多いですが、レントゲン(単純エックス線)は呼吸器や骨を調べるのに適しています。

産婦人科では、出産前の胎児の頭と骨盤を撮影して、難産の原因がないか検査することがありました。最近では、それほど役に立たないので使われなくなりました。

私が総合病院に勤めていた頃は、がんの転移とか、重症の妊娠高血圧で胸に水がたまるとか、重症が多いので、胸部レントゲンも有用な診断方法でした。

あなたも一度は目にしたことがある胸部X線写真は、素人が見れば、アバラ骨が並んでいるだけですが、専門家の目で見れば、いろいろなものが見えてきます。

肺炎の痕。大動脈の蛇行と石灰化から考えられる動脈硬化。
心臓の肥大から推測される慢性の貧血、骨の透過性から骨粗しょう症が疑える等々、いろんな情報が入っています。

私が医学生の頃、心臓外科の講義で、患者の10代の女性を前にして、教授が

「今日はあなたの胸の写真を見せてもらいますよ」

と言ったところ、その女性がにこやかに笑って

「いいですよ」と言いました。

単純な私(を含めて何人かの学生)は(パジャマ脱いで、オッパイ見せるんか!?)とぎくっとしたのですが、

教室の前のスクリーンに映し出されたその写真は、「胸の(レントゲン)写真」でした。

手術によって心不全が治って、心臓の大きさが元に戻った、という手術成功例の症例提示だったのですが、いかにぼーっと話を聞いていたか思い知らされました。

私が総合病院に勤めていた研修医時代は、いっしょに写真を眺めている若い看護師をからかってみたことがあります。

胸の術前写真を眺めながら、

「君、大変だよ。肺の真中に孤立性の腫瘤陰影が見えるよ。これってガンじゃないかなあ?」と私。

帝王切開のため入院した人の胸のレントゲン写真、

素人目には、肺の真中に丸くて小さい、直径1センチくらいの腫瘍のような影が見える。

「こりゃ絶対、ガンだよ!」

ギクッとした表情で、写真をのぞきこんでいるナースに、数秒間をおいて

「ウッソー。 乳首が映っているだけだよ~ん。」

(条件によって乳頭の陰が映ることがあるのです)

胸部x線写真は白黒の写真だから変な勘違いをすることもあって面白いです。

私が救急当直をしていた時あわてて撮影した胸部レントゲン写真に何かの影が映りこんでいました。

「これって食道内異物じゃないか!?」

内視鏡で摘出したほうがよさそうだな」

と仲間の研修医と話し合っているところへ、先輩の医師がきて写真をのぞきこんだ。

「おまえたち、こりゃ、はずし忘れたブラのホックだよ」

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