院長ブログ
アウトドアの仕事
2017年5月24日|院長ブログ
5月晴れのいい天気が続いているのに、屋内にいるのはもったいない、と感じる今日この頃です。
趣味でやってる農園もそうですが、外で活動するのが本来好きです。
こういう春のいい天気の時期(昔ですが)、工事現場で土方の日雇い労働者としてアルバイトしたことがあります。
大阪の西成区に日雇い労働者の集まっている地域があります。
朝の4時に、マイクロバスが人集めのため、近畿地方の工事現場からここに集まってくるのです。
バスのフロントガラスには職種と労働条件、賃金が書いてあって、労働者は気に入った条件のクルマに乗り込む。
毎日屋外で力仕事をしている人々の肌は浅黒く、腕のまわりに筋肉がもりもりついている。
ひょろっと背の高くめがねをかけた、やせ型色白の医学生であるぼくは明らかに場違いでしたが 一台のバスに乗り込んでみました。
定員が一杯になるとマイクロバスはまず飯場に向かい、 そこでどんぶり飯をたらふく食べさせてもらった後で、工事現場へと出かけるのです。
現場で私はスコップ持たされて、指示されたとおりに、一日中土を掘りました。
慣れないスコップの扱いで筋肉痛は残りましたが、賃金は悪くなかったです(当時1日1万2千円くらい)。
日ごろ、この職種の人々(つまり現場で汗を流している人たち)に接する機会がないので 気が付かなかったのですが、彼らは自然の移り変わりに親しい。
いっしょに仕事したおっちゃんは、休憩の時にぼんやりと寝そべってタバコをすいながら青空を見上げる。
どこかで鳥の声。 「あれはホオジロやね、こんなところでめずらしい、 あっちはシジュウカラ、おや、あれは××鳥。いまごろヒナかえすんや。」 等と自然の風物にものすごく詳しいのです。
タケノコ掘りをしているとこをトラックで通りかかると 「ちょっと見ていこや。にいちゃん、タケノコの堀り方は知っとおか?」 しばしトラックを路肩に寄せ、ぼーっと旬の作物が取れるのを眺めているのです。
土方のおっちゃんたちの繊細な感受性にもびっくりしたし 外の世界で5感を刺激されながら、仕事ができるのは楽しかった。
風のにおい。季節の移ろい。季節の花。
毎年 5月の風のにおいをかぐと、自分の中でなにかそわそわします。
春先によく耳にする コジュケイの鳴き声が 「ちょっと来~い」「ちょっと来~い」て聞こえます。
屋内での仕事を放り出して、外に出ちゃおうかな
(でも普通聞くと「ピッポッポ~イ・ピッポッポ~イ」が近いでしょうか)