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院長ブログ

睡魔と戦う 手を当てて

お産は24時間、待ってはくれません。

深夜の相当眠い時間のお産もあります。

 私が以前 総合病院で当直をしていた時の話。

 手袋

前の日に日本に着いたばかりというベトナム人が 腹痛があるといって救急車で病院に運ばれてきました。

妊婦さん本人は全く日本語を話しません。ダンナがカタコトの日本語を話します。

お腹が痛いという彼女をお腹の上から超音波で診察するとどうも
臨月近くの胎児がいて、お腹の痛み方からどうも陣痛らしい。

 全くコトバもしゃべれない人に内診(子宮の入り口の状態を見る)をするのはためらわれましたが、こういう非常事態では

なんとか気合いで押し通し、診察しました。

子宮の入り口がかなり開いて、お産がはじまっている状態。
分娩台へ上がってもらって、出産にそなえることにしました。

ところが

急に分娩が進まなくなってしまったのです。

普通なら、あと20秒もたてば出てくるところに
胎児の頭がきているのだが、そこからいっこうに進まない。

 私はいつでも出産の異常に備える体勢で

ベトナム人の彼女の産道に手が届く距離

(それは具体的にいうと、彼女の開いたマタの間)に立ちました。

 しかし20分待ち、30分待ってみたが、あともう少しのところで進まないのです。

時刻は午前4時、前の晩からほとんど眠れていない私は

さすがに眠たくなってきました。

 普通ならお産をする人に掛け声をかけて応援したり、

お産をする人の同意の上で陣痛促進剤をつかったりして
緊張した時間が持続するのですが、

コトバもわからない状況ではそのまま様子をみるしかないのです。

睡魔が襲ってきました。

コトバがわからず話もできないとぼーっと時間が過ぎます。

眠い。

寝てはいけない。

眠い・・・・

 

ああだめだ。

そして、ついに私は立ったまま居眠りをはじめてしまいました。

彼女の股間に手を当てたまま。

ベトナム人の彼らも彼らで、産婦人科というのが
何をするところかわからず、緊張していたでしょう。

 日本に来たばかりの若い妊婦さんと、そばで立って通訳をしていた

ダンナは、妻の開いた股に手をあてて、立ったまま居眠りを始めるドクターに、ぎょっとしていたに違いない。

私が診察をしているのを興味津々見ていたから。

彼らがベトナムに帰って、
「日本じゃお産のとき、産婦人科の医者が股の間に手を当てて眠るんだぜ」

なんてうわさが広まったらやだなあ。

結局、私は睡魔に耐えられなくなって、看護婦さんに交代してもらい、近くの当直室に引っ込みました。

その後私が当直の時間を終えるまで状況は変わらず、産まれていませんでした。

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