院長ブログ
じゃがいも と子宮筋腫
2022年6月8日|院長ブログ
「掘ったイモ いじくんな!」
と言うと、ネイティブの英語圏の人は
「何時ですか? (What time is it now?)」
に聞こえるそうです。
自分の菜園でジャガイモを栽培しています。 今すでにとれたてのジャガイモが出回っていて、先日も近所の農家の方におすそ分けをもらってしまいました。
ところで、ジャガイモって、まんまる(球)ではないので、切り口によって大きさ変わりますよね。
実は子宮筋腫(しきゅうきんしゅ)と似ているのです!
子宮筋腫は、子宮にできる「コブ」ですが、形とかでき方が、土の中のじゃがいもとよく似ています。
筋腫はエコーで大きさを見ると、同じ筋腫でも、大きく見えるときと小さく見えるときがあります。
同じジャガイモでも切り口によって大きく切断面が見えるところと、小さいところとあります。
子宮筋腫をエコーで観察していると実際の大きさが変わらないのに、1~2㎝程度は大きさが違って見えることがあります。
「半年前から1㎝大きくなったと医者にいわれた、心配だ」という患者さんがおられますが、これはジャガイモ効果が影響していることがあります。
ジャガイモを違う角度から切って見ているのと同じです。
ジャガイモと筋腫は取り出し方も似ています。
子宮筋腫の「核出」といって、筋腫の核だけを出す手術のときは、
先の細い鉗子という器具を使って、柔らかい子宮筋層の中に埋まっている筋腫をほじくり出すのです。
軟らかい子宮の筋層の中に硬いこりっとした筋腫核があるので 硬さの差によって、筋腫核を探り当てます。
うまく探り当てて、最小限の出血で、表面のこりっとした筋腫を探し当てると、とても気持ちがいい。
ジャガイモの畑で、熊手をふるって土の中のじゃがいもをほじくり出した時、
手術室で、筋腫が全部摘出できたときのヨロコビを思い出しました。