このページは、共通のメニューを読み飛ばすことができます。直接本文をご覧になるかたは「このページの情報へ」というリンクをクリックしてください。
サイト共通のメニューへ
このページの情報へ

院長ブログ

ヨルダン人の医者

左がヨルダン人の軍医

左がヨルダン人の軍医

テレビや新聞で、ヨルダンという国のことが話題になっていますが、

私にも忘れられないヨルダン人がいます。

 

私がアフガニスタンのNGOで仕事をしていたときに、同じくヨルダンから派遣されてきた、婦人科の医者。

 

アフガニスタンで活動中、市内の病院で子宮筋腫と卵巣腫瘍の手術がありました。

 

 

病院といっても、電気もちゃんと来ない、酸素の配管もない、手術の道具もない、とないないづくしの建物です。

モノがないだけでなく、スタッフの知識もありません。血圧計もろくに読めない。

手術をするときの消毒の仕方とか、手術を補助する職員の衛生的な操作とか、日本では医療スタッフだったら当然 知っているべきことがわかっていません。

当時ヨルダンから軍隊が救援活動に入っていて、婦人科の軍医が指導に来ていました。

このヨルダン人の婦人科医は非常に良心的で、教育熱心な男性でした。

「私はここでこの土地の人を教えることができて、ハッピーだ」

と言い

人を助けたい、という気持ちは世界共通なんだ。 なあブラザー(私のこと)、私の言っていることは分かるだろ?」

手術中にそんなことをつぶやきながら、子宮筋腫の核出手術を行い、卵巣癌かもしれない巨大な 卵巣腫瘍を摘出していました。

麻酔の方法がケタラールを使った、かなり原始的な麻酔で、逆に患者の状態もちゃんとモニターされていないような場所でも使うことができます。

私が日本で見たとしたら逃げ出したくなるような厳しい条件の 下で てきぱきと指図をして、周りのスタッフを動かして手術をしていました。

「出血を起こさないように縫合するコツはねえ・・・」

などとべらべらしゃべりながら、なんと37個の子宮筋腫の核出の手術を行いました。

こんな症例は日本では見たことありません。

日本人の私から言わせると、手術は相当荒っぽいですが、要点は得ています。

「いてっ!メスを持ったまま、臓器を持たないようにって言っただろっ!」

と彼は叱っていたが、手術中の針刺し事故などしょっちゅうでした。

「痛っ!」

私も手術中に、彼の動かす針で指を刺してしまいました。

手術を受けた患者はおそらく感染症の術前検査などやっていないはず。どんな病原体がいるかもわからないので

私が大あわてで指の血を絞り出していると、

「何やってんの?面白ーい」という感じで、周りで見学の看護師がケラケラ笑いました。

針刺しが危ないってこと気が付けよ!)と怒りで頭が一瞬クラクラしましたが、じっとこらえました。

こんな「ないないづくし」の厳しい環境で手術を教えているヨルダンの婦人科医の態度に頭の下がる思いでした。

子宮筋腫の核出手術をするのに、ピトレシンという薬剤を使うかどうかで、彼とは大議論になりましたが、

 

いまではいい思い出です。

 

人を思う気持ちに宗教や国境はありません

  • 診療予約
  • 採用情報
  • ブログ
アクセスマップ

〒438-0002
静岡県磐田市大久保896-39

診療時間

9:00~12:00 15:00~18:00

水・土は午前のみ/日・祝は休診

アクセスマップ
ページの先頭へ
トップに
戻る