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院長ブログ

夜桜のケン

桜は散る季節になりましたね。

桜の実物は散りますが、肌に入れるタトゥー(刺青)の花は消えることはありません。

私が日常診察をしていると、タトゥーをしている女性もたまにいます。

肩や手の甲にしている人もいますが、下腹部、太ももの後ろ側に入れている人もいて、診察の時に目にすることがあります。腹部の診察や陰部の診察など、普段慣れている自分でも、見慣れないタトゥーがあったりすると、ギクッとします。

今では技術や安全性も上がってきていますが、刺青も年数が経つと輪郭がボケてきますし、刺青をやめようと思ってもキレイに消えません。どうしても痕(あと)が残ります。

若気の至りで好きな男性の名前を入れてしまったりすると、数年後からは一生後悔する人もいるので注意が必要です。

さて、私の思い出す刺青の男性、忘れられない「ケンさん」がいます。

神戸でヤクザを稼業にしていた、患者のケンさん。高倉健さんみたいですが見た目は全然違う。

 

私が研修医のときの患者で、60代の男性でしたが、肝硬変で入院していました。肝硬変の末期で、見たところ、おとなしいおじいちゃんでした。

点滴をする腕には、刺青(タトゥー)がほってありました。刺青も年数が経つと、

けん

青い色だけ残って、字の輪郭がにじんでくる。

「夜桜の研」と彫られてあります。ずっと以前 血気盛んな若い頃に入れたらしい。

カルテを見ると、患者の本当の名前は「健治」で、「」のところを間違って

」と彫られてしまったらしい。

肝硬変はC型肝炎ウイルスによって引き起こされたものですが、

当時は、刺青などの器具から感染することも多かったのです。

私の推測するに、刺青をしたときにC型感染ウイルスをもらったと思われます。

間違った名前で刺青を彫られてしまい、しかも、C型肝炎ウイルスをうつされるなんて。

今や末期の肝硬変。

ヤクザな男の一生を垣間見た気がしました。

成仏してくれよ、ケンさん!

 

 

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