院長ブログ
書類仕事
2025年10月22日|院長ブログ
首相が変わって、世の中もいい方向に変わるといいですね。
数年前 ある政治家の強力なリーダーシップでハンコを省略する動きが起こり、死亡診断書や出生証明書にハンコを押さなくてよくなりました。
医者として仕事していて(意味ないなあ、時間のムダだよ)と感じながら仕事をしているのが診断書や証明書を書く仕事です。

人が生まれて、病気をして、死ぬまでの大事なポイントで いろいろな書類が必要になります。
証明書や診断書を発行するのも医者の仕事のひとつです。
産婦人科でよく遭遇するのが、出生証明書と入院診断書、死産証明書。
出生証明のほうは、だいたい書くところが決まっている。
入院診断書は、どういう経緯で入院が必要になったのか、どういう処置(手術)をしたのかを、 お金を出す側の素人の保険屋さんにもわかるように記載する必要がある。
キーボード入力に慣れてしまっている私は証明用の書類を手書きで書くのがツライ。
手書きできれいな字を書こうとするとやたらと面倒くさい。はやく終わらせようと、なぐり書きに近い書き方してしまいます。
もともと医学用語は普段使っていない漢字が多く 「疣贅」(イボのこと) 「躁鬱」(そううつ) 「痂皮」(かさぶたのこと) などなど、「読めるけど書けない」字が多いです・
私も本来なら病名の診断に「卵巣嚢腫」と書くべきものを 横着して「卵巣のう腫」と書いてしまうことはしょっちゅう です(今まで一度も保険屋から文句を言われたことはありませんでした)
「腫瘍を摘出(てきしゅつ)した」という文章を書くのに うっかりと「滴出した」とか書いてしまったりすると直すのが面倒です。
このような書類を修正する場合は、二重線を引いて、 その上に証明の印鑑と同じハンコを押さないといけない。
やっつけ仕事だと思って急いで書くと誤字が増え、修正に使われる朱いハンコの数もさらに増える。
数箇所直しただけで白いきれいな証明書用紙が 書き直しの二重線と朱色の訂正印で染まってしまい、
成績の悪い生徒が赤いペンで真っ赤に 答案用紙に添削を受けているようで、
「真っ赤な秋」です。
訂正印ばかりの証明書を本人に手渡すとき、とても恥ずかしいです。
証明書類は誰かが勝手に書き換えて 保険金詐欺が発生することもあるのでちゃんとやらないと。
悪いやつも時々おります。 実際に入院したよりも長く入院証明の日付を書いてくれ と言い寄ってくる人もいます。
入院期間がある日数以上になると保険金が支払われるからなのですが、 もちろんこのような不正はできないので、私は頭から断っております。
他にも、病気にかかってから保険に加入して 入院費を加入した保険で出そうとするやつもおります。
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同棲年数が長いあるカップルがいました。 女性のほうはすっとぼけた人で、 いつのまにか妊娠してしまい、妊娠していることに気づかず あれよあれよという間にお産になって子供が生まれてしまった。
彼らは同棲していたので、もちろん婚姻届は出していませんでした。 退院のときに彼女はすっとぼけた質問をしてくれました。
「出生届けと、婚姻届、どっちを先に出したらいいんでしょうねえ」
「好きにしてよ」 と私は言いたくなりました。
(婚姻届がないと、未婚の子供扱いとなるので、 婚姻届を先に出す べきでしょう。)










