院長ブログ
道端で旗ふってるおっちゃん
2020年12月30日|院長ブログ
ヨーロッパから遠く離れたアジアの東の端に、人は住んでいるのか? 文化なんてあるのか?
日本について近世以前、ヨーロッパの人はそう考えていたに違いありません。自分が世界の中心だと思っていたから。
さて、今の日本。
通勤や休日の移動中に、道路工事で作業をしている人たちを見ると、寒いのに大変だなあ、とか思いませんか。
大変だなあ 以上のことは思いつかなかったのですが、今回この本「交通誘導員ヨレヨレ日記」を読んで視野が広がりました。
資格がなくてもすぐに仕事につけて、お金ももらえる。ただし代わりはいくらでもいるので使い捨てされる。70代以上が8割。著者はゴーストライター、編集者もしていたことがある方で、文章の構成はものすごく上手です。交通誘導員の仕事の中で起こる人間模様を面白く描いています。
なにを間違ったか(本文中では競馬でお金を使ったとか書かれていましたが)この世界に入ってしまったようです。漫画やシリーズが出てこの本も16万部以上売れています。
本の帯には「誰でもなれる」「最底辺の職業」と書かれていますが、自身が交通誘導員として働いている著者によれば、健康でなくては務まらないし、職場での利害関係を調整するコミュニケーション能力は必要です。やりがいとか自己肯定感を得られにくい、という意味ではきつい職場かもしれません。
私もクリニックの院長をさせていただいて、今年で10年になりますが、人はだれしも自分を認めてもらいたいことを痛感しています。
私は人類の幸福に貢献するつもりはありませんが、私の周りの関係者とは仲良くやっていきたいと思っています。
今年も終わりですが、皆様もよいお年をお過ごしください。